ああ杜牧

ああ、杜牧。
君、嘗て得たり薄幸の浮名。
浮名、ふわと揚州を出でて、
天明、何処へ去り行かん。

ああ、杜牧。
君、唐朝に引く手数多。
牛李共に君を愛し、
影ながら守り、要路へ導く。

ああ、杜牧。
君、歴史を語る。
いつか還る、いつか繰り返すその日を、

ああ、君よ、
ああ、杜牧。
君がもし、
君が言うよな歴史なら。

君は立つのか、
今も立つのか、
四百八十寺、
煙雨の内に、朦々と。