2015-01-01から1年間の記事一覧
彼と我の落差は埋める必要がない。 そのために家族がいて、同心円状の身内や友人がいる。 彼らに救いを求められないときに、人は「越境」する。 そして越境者として、外側からものを語る。 そうして、内と外の境界がなくなっていき、外の言説のために、内を…
心は掛かるこの蓋よりぞ、 溢れ出もすれ、締まりもすれ。 なら常在の心は何処?滔滔垂れ溢る情なりや、 きりりと締める我なりや。有情非情も共に情、 ここにありてやここになし、ああ、蓋。ああ蓋よ。君のみが常に隣り合う、 君のみが情の可触民。どうも、蓋…
いちの中にひゃくせんまんおくがあり、 ひゃくせんまんおくの中に、一がある。ならば知れ。この小刀のきっさきの、 その先端の、さきのさき。ひゃくせんまんおくのなかのいちの、 そのなかのひゃくせんまんおくの、 さらにそのなかの、中の、 なかの、 中の…
ああ、杜牧。 君、嘗て得たり薄幸の浮名。 浮名、ふわと揚州を出でて、 天明、何処へ去り行かん。ああ、杜牧。 君、唐朝に引く手数多。 牛李共に君を愛し、 影ながら守り、要路へ導く。ああ、杜牧。 君、歴史を語る。 いつか還る、いつか繰り返すその日を、…