「ドイッチェラント、ドイッチェラント、ユーバアーレス、ユーバァアーレッサインデアヴェルト!」
シネオペレッタをここんところ取り上げておりますので、最後の駄目押し。取って置きのコレ!!

會議は踊る [DVD]

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ドイツシネオペレッタの最高傑作との声も高い本作。劇中曲「ただ一度だけ」は聞くものの耳に戦前のドイツ映画を思い出させる象徴となっています。まああらすじをば。
ナポレオン敗退後のヨーロッパ。今後の体制を決めるため、列強諸国がオーストリアのウィーンに集結しました。俗に言うウィーン会議です。オーストリア宰相メッテルニヒによって提唱されたこの会議、彼は盗聴、手紙の検閲などあらゆる手段を使って会議を自分の思うように動かそうとします。このメッテルニヒを演ずるはコンラート・ファイト。以前紹介した『カリガリ博士』では博士に操られる哀れな眠り男・チェーザレを演じたのですが、本作では帝国宰相への大出世です。あいかわらず腫れぼったい瞼が魅力的。
そんな会議のさなか、手袋屋の女にして本映画の主人公・クリスティンは自身の店の宣伝のため、店名が書かれた花束を各国の主賓の馬車にポンポン投げ込みます。はっきり言って迷惑な女です。メッテルニヒや彼女にモーションをかけている秘書のピペくんの耳にもこの珍事は届きました。「今度やったらただじゃおかねー」とメッテルニヒも苦笑です。しかしロシア皇帝の馬車にこの花束作戦を敢行したところ爆弾テロと勘違いされてしまいます。もはやシャレではすみません。ポリに連行され尻叩きという屈辱を受けそうになるクリスティン。とそこに希望の星が。ロシア皇帝・アレクサンドル一世です。
・・・うーん。なんだか浜村淳*1なみの作品全解説になりそうだ・・・。長くなるのでこのコーナー初の次回に続く。

*1:映画紹介と称してストーリーを全部話して映画館に行く気をなくさせる困った解説者