やる夫シリーズ紹介 第二回「やる夫がキリストになるようです」
「死」を描くことで、やる夫歴史の「伝記方式」を確立した作品。
-‐ '´ ̄ ̄`ヽ、 / /" `ヽ ヽ \ (・・・やる夫様やっぱり、 //, '/ ヽハ 、 ヽ 私は臆病者ですにょろ 〃 {_{ U リ| l.│ i| 死をむかえるのはとても レ!小lノ `ヽ 从 |、i| 怖いことですにょろ ヽ|l -- --u | .|ノ│ |ヘ⊃ 、_,、_,⊂⊃j | , | でも、私はあなたの愛を信じます | /⌒l __, イァト |/ | . | / /::|三/::// ヽ | あなたが私たちを愛して | | l ヾ∨:::/ ヒ::::彡, | 下さったように 神も私たちを愛して下さって いるはず・・・ そのことを人々に伝えるために 私に最後の勇気をください・・・)
やる夫がキリストになるようです
連載2008年 4/23〜6/26
全5回(本編4回、外伝1回)
世界史 1世紀初頭〜
主人公 ナザレのイエス
底本 新約聖書
【概要】
やる夫シリーズで初めてやる夫の「死」に正面から向かい合った作品である。本編で、やる夫は明確に死へと、十字架へと向かう存在として、描かれている。手の届かない過去を「歴史」として語る我々にとっては、過去の人物は一様に結末に、死に向かって生きているように錯覚される。だが、彼らは、「その時代」を我々と同じように「生きて」いた。クロニクルのように死に向かっていたわけではない、死の瞬間まで「今」を生きていたのだ。やる夫を「死」へと向かう存在として描くことで、逆説的に、その「復活」、「生」の意味を「今も」変わらぬ問題として、問い続けている。
この作品が「生ある人間の死」を書いたことで、のちの「やる夫歴史」は「人間」を描くシリーズとして飛翔できたのだと、思う。
【キャスト】
主人公やる夫は主人公で、シンボルでありながら、脇役でもある。彼の「死」を通して、彼の弟子や敵たちの「生のあり方」を問う作品でもあるのだ。
やる夫、やらない夫以外の配役は「涼宮ハルヒシリーズ」のキャラクターで固められている。中でも鶴屋(ちゅるや)さんや谷口、やらない夫は、やる夫の死を境に変化を迎える。そのときの彼らの行動は脇役のそれではない。やる夫の生と死に遭遇した人々は、自身の生のあり方を問われ、必然的に物語の主人公となっていく。
【名場面】
朝倉さん演じる大祭司カヤパによる、やる夫キリストへの詰問は、「やる夫歴史」中でも屈指の名シーン。構図が涼宮ハルヒ本編における、朝倉さんの長門に対する敗北の合わせ鏡になっているところもミソ。
敵として、また律法を奉じるものとして、やる夫に対する論難を繰り広げる谷口と、それに対するやる夫の真摯な答えが本編中で執拗に繰り返され、後の谷口の変化の際のカタルシスに繋がる。
メインキャスト
ナザレのイエス…やる夫
ヤコブ…やらない夫
熱心党のシモン…オプーナ
ペテロ…ちゅるやさん(涼宮ハルヒ)
パウロ…谷口(涼宮ハルヒ)
イスカリオテのユダ…長門有希(涼宮ハルヒ)
洗礼者ヨハネ…涼宮ハルヒ(涼宮ハルヒ)
カヤパ…朝倉さん(涼宮ハルヒ)
アンナス…黄緑絵美里(涼宮ハルヒ)
クムラン教団の人…佐々木さん(涼宮ハルヒ)
ナレーター…高良みゆき(らき☆すた)