テンパる氣志團

またまたウンベルト・エーコです。

フーコーの振り子 上 (文春文庫)

フーコーの振り子 上 (文春文庫)

この小説のストーリーを要約しますと
<あらすじ>
イタリア人のカゾボンくんはだいがくの卒業論文テンプル騎士団のことを書いてから、どんどんとオカルトにハマっていきました。きぶんが悪くなったので、ブラジルに恋人といっしょに行きましたが、そこでもまやくダンスとかサンジェルマンはくしゃくとかにあって、秘教の世界からはなれられません。いいかげん頭にきたカゾボンくんは、このキチ○イ的な神秘主義をギャグにして笑ってやろうと、知り合いの編集者・ベルポ(すげぇ懐疑主義者)くんやディオレッターヴィ(秘数好きのカバリスト)くんを巻き込んで、「イタリア版・ムー」を創刊し、その過程で寄せられるさまざまなキチ○イどもの妄想をかきあつめ、インチキテンプル騎士団の陰謀をでっちあげたのです。最初はじょうだんのつもりだったこの試みが、のちに取り返しのつかないことへ・・・

とまあ、こんな話でやんす。前作・薔薇の名前では正統と異端について取り上げたエーコ。今回は秘教をテーマにしています。キリスト教の裏に隠れる秘密結社や陰謀の試み、正統を是とせず、神による創造を否定的に解釈するグノーシス主義を独自の視点で捉えています。裏と表についていろいろ考えさせられるお話です。でも、向こう(西洋)の秘教についてあんま知識がないので、作者のデマとホントの文献の見分けがつきましぇん・・・。