「ドイッチェラント、ドイッチェラント、ユーバアーレス、ユーバァアーレッサインデアヴェルト!」
てなわけで水戸光圀の圀の字は即天文字って言って、中国唯一の女帝・即天武后が作った文字なんだよー。まあ、そんなことはどうでもよくって、偉い人が身分を隠して自分の周りをうろちょろしたら普通は2パターンを考えるよね。
1.こいつは俺が公儀に内緒で宇和島の伊達藩と行っている「ポンジュース」の密貿易のことを探りにきたな!!
2.こいつはどこぞの国のお姫様(王子様)だが、身分を隠しておいらとの一夜のアバンチュールを楽しみにきたに違いねえ。


前者が水戸黄門暴れん坊将軍で後者は「ローマの休日」や

なんだ。
戦前のドイツが誇るアクションスターにしてほら男爵、ハンス・アルバースを主演に迎えたこの作品。前回紹介したガソリンボーイと同じくシネオペレッタなのです。
ハンス・アルバース演ずるは陽気な艦長。女王の警護の命令を無視して自身の船をモンテカルロへと向かわせます。その彼を女王が変装して追い、ドタバタ劇が展開していくことになります。女王とは知らずに恋に落ちていく二人。日本では戦前の上演の際、王族を茶化すのはなんとやらということで、王族を匂わせるシーンはカットされたとのことでなんともはやですが、そのような配慮という名の圧力も、この映画の人物たちには関わりなきこと。女王ってばれた後も「ローマの休日」のアン王女とちがって、こちらは全然しおらしくはなりません。艦長のほうもブラッドレーみたいに身を引くようなことはなしに、海に飛び込み乱痴気騒ぎ。本企画のタイトルにもありますように、怪奇もいいけれど陽気もというのがドイツ映画。一筋縄にはいきません。
・・・でも、シネオペレッタで怪奇ってどうやるんだろ?やっぱりオペラ座の怪人か?