全てがFになる2
箱船はいっぱい: 藤子・F・不二雄[異色短編集] 3 (3) (小学館文庫―藤子・F・不二雄〈異色短編集〉)
- 作者: 藤子・F・不二雄
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 1995/07/15
- メディア: 文庫
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とにかく凄いです。ページは長いもので40ページ、短いものでは10ページもないのにどれもが映画の大長編に匹敵し、凌駕する舞台、アイディア、結末、科学的考証。手塚治虫が氏の短編を読んでは「自分には才能がないのか」と苦悩していた気持ちがわかります。もう、なんだか崇拝の領域にまで入ってきました。
今回の短編集のテーマは一言で言えば「人類滅亡」です。あらゆるシチュエーションでの人類の滅亡が描かれ、それらに対する人々の思い、葛藤、あがきがシニカル、かつ愛のある不思議なFの感性で描かれています。今回は紹介したいためだけに筆を取ったのですが、いくら語っても蛇足になるだけです。読んでください。ただただ一人でも多くの人が手に取ってその世界を味わってくれることを祈るだけです。
ちなみに私は短編のひとつ「あのバカは荒野をめざす」で号泣しました。