困ったよ

ガニ・メデより帰還しました。現世が気に食わなければまた帰ります、ガニメデに。
とまあ駄々っ子みたいなことをいっております。しかし困ったことにガニ・メデでのことを想起し、再生して文章に起こそうとしてもなかなくまくいかないという現実があります。そう、私の記憶力はここ数年で目に見えるほど減退しているのです、どうしましょ。特にひどいのが数日前の記憶を再現すること。昔は比較的楽に記憶を再生してくれたのですが、最近では夢と現実と妄想が混線し、どれが夢やら現(うつつ)やら整理してくれない脳みそと化しているのです。
かような困ったチャンの「私の頭の中のイレイザーヘッド」です。このままでは日本映画として取り上げれば興行収入が上がらなくて、韓国がインスパイアーしたとたんに大ヒット。大御所ハリウッド*1までが金に物を言わせて買い取りそうな名作の原作になってしまいます。それはそれでオイシイ
日々のことが泡海のようにブクブクブクブククブクブクブクブ失われて、いやそりゃもともと過去はとうに失われたものなのですが、それを失われたものとする基礎付けは「思い出せる」ことにあります。とにかく失われたものが思い出せること。「なにがうしなわれたか」と問えることは非常に重要なんですな。私の場合はまだ昨日やったことの大雑把なタイトルぐらいは記憶できるので実生活に支障がないのですが、タイトルすら剥奪された、壊れたコピーのように白紙ばかりが打ち出される日々を考えると涙が出ます。そう考えると「人生に意味はない」というせりふは、コピーが壊れていない幸せ人間だけが吐ける戯言(ざれごと)であることがわかります。我々は常に意味を確認してしか生きられないのです。その過程を無い無いすることはできないし、その外にも立てない。

*1:黒人差別者グリフィスがつくったとされる映画地区