ああ・・・

トリトンガオワッター」

1972年9月の事実は世の女性たちを驚嘆させた。
彼は太陽の向こうに去り、もう戻ってこない。
あまつさえ、全裸人魚はちゃっかり同伴。
彼女達の心情は、察して余りある。


待った、彼女達は待った。トリトンの帰りを。
しかし海は何も応えてくれなかった。

そのとき彼女達は思った。
トミノや義展*1が作ってくれないなら、自分たちで作ればいいじゃない」


女性同人誌の誕生の瞬間だ


         プロジェクトyaoi第一話「驚異の妄想・同人誌の誕生」より

てぇことで、遂に海のトリトンが最終回を迎えました。悲しいです。巨大キカイダーことポセイドンに勝ったと思いきや、その像を操っていたのがトリトン族によって人身御供にされた人々だったとは・・・。トリトンだけでなく、我々もあぼーんです。
その事実を知った後、トリトンは何も語らず朝日の向こうへと去っていきました。トリトンぐらいの年齢なら、言い訳をしたり、泣き散らしたり、誰かに甘えたりする事もできたはずです。傍らには年増イルカも全裸人魚もいるのですから。でも、彼は一人黙って前を向きました。そう、トリトンはもはや男なのです。ポセイドン族を全滅させた罪も負い目も、自分の腹にしまえるのです。悲しい事に。
体は少年でありながら、心は大人になってしまった。そんなアンビバレンツなトリトンだからこそ世の女性たちはそこに庇護すべき子供と、頼れる男の二つの姿を見て、夢中になったのではないでしょうか。トリトンが三十五年経った今も女性たちに語り継がれるのには、こういった魅力が寄与しているのかもしれません。
それはマージナルの言葉で表される思春期や青年期とは少し違います。分かりやすく言えば言えば・・・うーん、なんだ?ああ、あれだ!とっちゃん坊や!!
・・・違うだろ。


そんな可憐なトリトンを演じた塩谷翼氏とマゾイルカ・フィン*2を演じた杉山佳寿子*3氏が同時期に共演している番組といえば。

ですね。この中で塩谷氏はつばくろの甚平を、杉山氏は白鳥のジュンを演じています。で、これにガルマさま(森功至)とアニソン界のプレスリーささきいさお*4、左門豊作こと兼本新吾が加われば科学忍者隊ガッチャマンの誕生です。

*1:西崎義展。トリトンやヤマトのプロデューサー。手塚治虫松本零士、太平洋の海賊と激しく争う。その姿は無頼そのもの。現在ムショ入り

*2:全裸人魚・ピピに苛められ、悶え悦ぶイルカ

*3:他にもハイジ、コロ助で御馴染み

*4:ヤマトやゴレンジャーの歌手