今回、那智には青春18きっぷで行くのですが、今年の春は18切符が安い。なんと五枚つづりで8000円。従来の11500円から考えると3500円もお得なのです。しかし和歌山県南部は本州でも僻地中の僻地。地方都市kから鈍行で行けば片道七時間です。同じ鈍行で東に向かえば東京に着いてしまうぐらいです。かように旅というものは実際の距離よりもインフラ整備の度合いによって所要時間が左右されるものなのです。そのため汎用的な運用ができる車を観光に利用する人が多いのもうなずけます。道さえあれば地図に書かれてある距離のまま、到着時間が読めるからです。公共交通機関はその「公共性」ゆえに運用の難しさがあり、こちらはその流れに従わなければならないという難があります。ただし電車に乗っている間、乗客である我々はフリーハンドなので好きなことをすることができます。窓から外を眺める自由。本を読む自由。寝る自由。車のように主体的な乗り物はどうしても運転にストレスが溜まり、行き先にたどり着く自由はあるものの、そこに行くまでの行程で自由が制限されます。
どちらの自由も一長一短なわけです。難しい。