ココ最近再放送しているおジャ魔女どれみ(無印)を見て、「シリーズの初期だなぁ」と感じる点がいくらか出てきました。これからのこのコーナーはストーリー紹介より、「無印初期の特徴」といったものを重点的に捉えていきたいと思います。まずはこの問題。
藤原はづきの存在感」
についてです。

シリーズが進むにつれ、何故か空気化してしまう藤原はづき。しかしシリーズ初期において彼女はレギュラーキャラの中で一番の人気と主役話数を誇っていました。この変転の原因は一体どこにあるのでしょうか。私見を述べたいと思います。
まず、はづきのキャラクターとしての特徴を挙げていきます。
①お嬢様
②天然
③女性
この三つではないかと。で、このうちお嬢様の特徴は最終シリーズまで意味を持ってきます。母親の少女趣味やばあやの存在。ヴァイオリンや日舞を習っていることなどは、はづきというキャラクターを彩る重要な要素です。これらは家が裕福であることによって成り立っている「個性」といえましょう。
問題なのは②、③です。この二つの要素はシリーズが進むにつれはづきの個性として薄まっていくように感じます。
②の天然ですが、主人公である春風どれみもまた、天然キャラです。しかし彼女の場合ツッコまれる天然。つまりはボケ天然に該当するのです。あいこがいつも突っ込まれているのは、そういったどれみの「ボケ天然」が働いているためといえましょう。一方、はづきもボケですが、彼女のボケは「突っ走り系のボケ」です。一度エンジンに火が付くと止まらず、どれみのように突っ込まれるだけのものではなく、そのまま走り出していきそうなボケなのです。しかしさすがは我等が妹尾あいこ。この高度、というか扱いづらいボケを見事に回収するツッコミを使用しています。それが、
「はづきちゃん、それフォローちゃうで」です。
実ははづきのボケは突っ走り系といっても触媒を必要とします。それが「おばけ」であったりする場合もありますが、主としてどれみに対するリアクションになります。はづき本人はどれみの分かりやすいボケに対して突っ込んでいるつもりなのでしょうが、妹尾あいこ氏や我々の第三者視点から見れば、どれみの大暴投をさらにあさっての方向に打ち込んでいるのが藤原はづきなのです。したがってはづきに対処するため妹尾あいこによって開発されたツッコミが「はづきちゃん、それフォローちゃうで」になるのです。私なりに注釈をつけると。
はづきちゃん。それ(でどれみちゃんに突っ込んどるつもりやろうけど。余計あさっての方向にいってんで〜)フォロー(というよりはボケ加速させとんなー。この子ら、アタシが来るまでずっとボケのボケ倒しやったんやろか。だれも突っ込まへんかったんやろなー。ここはアタシが突っ込んだらな、なにわっ娘がすたるやろ)ちゃうで(どちらか言うとツッコミボケや。落ちてへん、落ちてへん!)」
ということなのでしょう。さすがは関西人妹尾あいこ。二人の関係と特質をすばやく読み取り突っ込みに昇華させるコミュニケーション能力は大阪人の鑑です。
さて、カンジンの藤原はづきの特徴ですが、次回は③の要素と、彼女が持っていた特殊なボケが誰に、どのように奪われていったのかについて検討します。