ココガスゴイヨ初音ミク

前の続き。初音ミクがいかに斬新かを語るコーナー。
初音ミクの新しさとは〜東方のニコニコ動画での影響力4〜 - マントラプリの生涯原液35度

1楽曲(リズムといってもよい)に声、歌詞、映像を当てはめる(東方形)

2映像に楽曲を当てはめる(映像もいじるがキャラクターや舞台自体は変更しない)(アイマス形)
というのは前々回、前回と触れた内容。で、初音ミクのすごさはこれらいずれにも当てはまらずに、

3キャラクターと声に既存ないしはオリジナルの歌詞、歌曲、さらには映像までも当てはめる(初音ミク形)
この路線を進んでいることです。

東方もアイマスもベースが同人、商業作品だということは周知の通り。つまりは原作つきということ。MAD職人はこの原作の映像、ないしは音源をベースとしてMADを製作するわけです。いわば拠り所がある。
しかし初音ミクはそうではありません。音楽ソフト、それも自分の脳内で考えた電波歌がかわいい女の子の声で再生できるソフトです。バックストーリーも持ち歌も、映像も何もありません。MAD職人が拠り所にするのはそのパッケージイラストのみ。しかしどうでしょう、初音ミクは、その勢力をすさまじい勢いで拡大させつつあります。


しかも驚くべきことにボーカルソフトの枠を完全に抜け出した、イラストを書く、初音ミクが届くまでの心境を別のボーカルソフトに歌わせる、といった初音ミクの機能の範疇外で初音ミク祭りが始まっているのです。そう、初音ミクにはテンプレートはない。それどころか初音ミクという存在そのものがテンプレートになっているのです。
初音ミクが登場する前に「ボーカルソフトを使ったMAD」と言われて想像するのが、好きなキャラクターにボーカルソフトで作った電波歌の音声を合成させて楽しむとかの、既存のキャラクターを主体としたMADだったはずです。しかし、ふたを開けてみてビックリ。なんとリスペクトされ、偶像として祭り上げられたのはその「声自体」だったのです。
そう、初音ミクはキャラクター主体のそれまでのMADとは大いに違う。歌曲主体のそれまでのMADとも大いに違う。それは、そう、声主体。声そのものに職人は価値を見出し、その声に沿った
1 絵を描く(二次元キャラクターとして具現化)
2 アホ歌を歌わせる(キャラクターの個性化)
3 映像をつける(アイマス状態)
以下の活動を展開するようになったのです。
「はじめにことばありき」。初音ミクは体も姿も、心もない声、ことば。それにMAD職人が肉とこころを宿している途上なのです。そして今後の初音ミクの発展、展開こそニコニコ住民の、ニコニコ住民による、ニコニコ住民のための、初のオリジナルアイドルを形成させていく鍵になっていくでしょう。あなたのMAD、あなたのコメントによって初音ミクのキャラが形成されていく。本当の意味でのヴァーチャルアイドル。しかも完全相互インタラクティブ
ああ、二次元萌えどころではない、思いもよらない想像、もっと果てない未来。それはすぐそこまで来ている。