コンバットマネージャー幸子はひとまずおいといて、ちょっと新連載。
大財閥の一人娘として生まれた少女・松田あうらは何不自由ない生活を送っていた。私立聖ウルスラグナ女学園に通う彼女の周りは笑顔と幸福に包まれていたのだ。そう、あの日までは。
ある日、あうらのクラスに転入生がやってきた。黒い服にスカート、黒い髪、全身を漆黒に包んだ彼女の名は安楽マユ(あんらまゆ)。大人しく、おどおどとしている彼女をあうらは優しく導くのであった。そして、二人の仲は日を追うごとに深まっていった。
そんな彼女たちをねたましく思っていたのがあうらの友人・水戸麗亜(みとれいあ)である。彼女は表面上はマユに笑顔を見せていたが、裏では嫉妬の焔を拝火壇(はいかだん)の如く燃えあがらせていたのだ。実は彼女、聖ウルスラグナ女学園の影のグループ・ミトラス会の会長であったのだ。放課後校舎裏に呼び出されるマユ。そのマユを取り囲むミトラス会の面々と嫉妬に身を焦がす麗亜。
「二目と見れない顔にしてやんなっ!!ァ!」
「生きながら、チンワト橋を渡らせてやるよっ!!」
飛び掛る女たち。だがそこに爆音と共に黒装束のバイク部隊がっ!!そう、転校初日のマユとまったく同じ格好をした漆黒の部隊。これこそがマユの親衛隊・ダエーワの乙女であった。何を隠そうダエーワの乙女とは関東一帯の女番を取り仕切る正体不明の結社のこと。その首領、コードネーム・アーリマンこそがマユの真の姿だったのだ。
目に冷酷な青い焔をたたえたマユは無言でミトラス会の連中を叩き潰す。その姿は普段のマユからは創造できない悪魔の如き形相であった。

息も絶え絶えの麗亜に語るマユ。
「邪魔はさせない。松田家に伝わるズルワーンの秘宝を手に入れる邪魔は、だれにも…」
そのとき。校舎の影から物音が。
「誰!?」
そこには震えるあうらの姿が。二人の様子が心配で見に来ていたのだ。
「そう、知ってしまったのね。わたしのこと・・・」
紅い舌を出して笑うマユ。あうらの幸せな日々の崩壊はここからはじまる・・・。






大映ドラマ・アヴェスターの娘たち第一話「漆黒の転校生!!悪魔か?鬼か?」完。
つづくかも。