AA(アスキーアート)ノベルの世界

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【やる夫が李斯なようです Part4】 - パー速VIP VIPService
あんそく やる夫が李斯なようです 第一話 【仕官】 その1
もはや「やる夫歴史」と呼ばれるこのシリーズは、2ちゃんねるというカテゴリーを飛び越えて、ひとつの『形態』と成りつつありますよ。このジャンルを、ここでは仮に「AAノベル」(アスキーアートノベル)と呼ぶことにします。
このAAノベルの区分に当てはまる条件として、
1.AAキャラの掛け合いによって話が進む
2.五回以上の長期シリーズ化している
3.AAキャラクターが特定の人物の役を割り振られている。

があります。このAAノベル、横文字、縦スクロールという点ではケータイ小説の形式と変わりません。しかし、
○AAが配置されていて、AAのフキダシを中心に話が進む
○コメント欄ごとに区分が可能
という二点において、ケータイ小説とは異なった形態です。(シャレじゃないよ)
絵やキャラクター自身が重視されるという点ではラノベにも近い点はあります。ですが、一コメントに一回、必ずAA(絵)が挿入される頻度は挿絵の多いラノベでも、ありえません。そう、一コメントに一つAAと文章。これは漫画の表現方法に近似しています。コメント欄ごとの区分が、ちょうどコマの役割をしていて、読者はマンガと同じ感覚で読めるんですね。マンガでも「名探偵コナン」とか、小説並みに文章多いのあるしね。
しかし、ケータイ小説ラノベ、マンガ。様々なジャンルと類似しているAA小説。実はこの三者よりもモット似通ったジャンルがあるのです。
絵があり、文章中心で展開し、自分でスクロールしながら見る。「漫画」と似て、それでいて現代人があまり触れることのない「アレ」。そう、「絵巻物」(えまきもの)です。コメントごとに区分されているスペースは、さながら映画のフィルムのようです。そのコメント欄とコメント欄の「間」を、時には文章、時には絵でつないで、連続性を生み出す。
AAノベルの形式は、もはや「縦スクロールの絵巻物」と化しています。
様々な分野を横断して、表現方法を模索するうちに、いつの間にかとんでもない先祖返りをしていた…。いやはや、なんだか末恐ろしさを感じます。ケータイ小説(横文字縦スクロール)と漫画(フキダシ中心の展開)とラノベ(文章にキャラクターの絵が挿入される)の中間に位置しながら、そのどちらでもない。現代の絵巻物・AAノベル。
絵巻物という古代以来の伝統を持ち、西欧から横書きとフィルムを大幅に受用した「日本」という国だからこそ生まれた、この「文化」。
今後、全編オリジナルキャラクター、オリジナルシナリオのAAノベルが必ず現われるでしょう。そしてケータイ小説並…いや、それ以上に大きい創作のジャンルになる。私はそう思います。
<参考>
やる夫に見るキャラクターコンテンツ - マントラプリの生涯原液35度