誕生 武蔵武士展とグレ光の関係について

先日予告したとおり、『誕生 武蔵武士』展の模様を報告いたします。
これは三月十五日まで、埼玉県の大宮(現さいたま市)にある「埼玉県立歴史と民俗の博物館」で開かれていた展覧会です。

http://www.saitama-rekimin.spec.ed.jp/tenji/toku20090131/20090131.html

何故、京都からわざわざこの展覧会を見に行ったかというと…。
やる夫が鎌倉幕府の成立を見るそうです 巻第六 - パー速VIP VIPService
http://yaruokansatu.blog44.fc2.com/blog-entry-842.html
惚れ込んだからです。そう、『やる夫が鎌倉幕府を成立を見るそうです』にっ!!
これは、AAキャラクターである、やる夫が鑁阿寺殿(ばんなじどの。足利義兼)となって鎌倉幕府の成立に携わる物語です。その歴史考証の確かさ、クロスチェックの徹底ぶり、当時の風俗のシナリオへの反映具合は大河ドラマ以上です。(本当に)なおかつ面白いんだから、これを見ない手はありません。ただ、演じているキャラがAAなので、騎馬はモビルスーツ、幕府はアークエンジェルで表現されている事に関しては「史実」かどうかさだかではありません…。
この物語で大きな役割を果たすのが関東武士団(かんとうぶしだん)です。
東武士団とは十世紀に平将門(たいらのまさかど)や藤原純友(ふじわらすみとも)が蜂起した承平・天慶の乱(じょうへい・てんぎょうのらん)を制圧した三人の将軍の末裔を中核とする集団です。
将門の乱鎮圧に功績のあった平貞盛(たいらのさだもり)、二つの乱の鎮圧に(やや)活躍した源経基(みなもとのつねもと)、将門を討ち取った藤原秀郷(ふじわらのひでさと)の三人。
平貞盛は、平家物語で有名な伊勢平氏(いせへいし)、執権となる北条氏(自称)、また謡曲『敦盛』で有名な熊谷直実(くまがいなおざね)*1の先祖です。彼の叔父の平良文(たいらのよしふみ)の末裔も影響力が大きく、板東八平氏と呼ばれます。初期鎌倉幕府の重鎮、三浦*2、千葉、上総*3の三氏や畠山、河越氏などの秩父*4梶原景時*5大庭景親*6を排出する鎌倉氏が含まれます。

源経基は、かの清和源氏の祖ともいえる人物です。源氏*7、足利、新田両氏*8、新田氏から派生した(ということにした)徳川家などなど、七百年に及ぶ武家政権のスタンダードとなる血脈です。ただし、承平・天慶の乱での役割は三人の中では一番ショボイ。歴史ってふしぎ。

藤原秀郷からは、奥州藤原氏(自称)*9や、小山氏、結城氏、佐野氏*10、比企氏*11、やる夫義兼最大の敵・藤姓足利氏(とうせいあしかがし)が、派生していきます。

三人の子孫は承平・天慶の乱以降、関東に土着し、武士団を形成していきました。それが「関東武士団」。その中でも武蔵国(むさしのくに)*12を中心として活躍したのが、本展覧会の武蔵武士団(むさしぶしだん)なのです。本展覧会の意図はこの武士団を中心として古代〜中世の関東を考えていく事にあります。
本ブログで、取り上げるのは藤原秀郷(ふじわらひでさと)の子孫・秀郷流藤原氏(ひでさとりゅうふじわらし)となります。何故なら。

『やる夫が鎌倉幕府の成立を見るそうです』で一番お気に入りのキャラクター・小山(結城)朝光(ゆうきともみつ。通称グレ光)*13の先祖だからっ!!
ちなみにっ、
秀郷流藤原氏の主な勢力圏って上野、下野だからっ!!
武蔵中心なのって比企氏ぐらいしかねぇからっ!!
おまけに比企氏の系図って怪しいからっ!!
ぶっちゃけると、
武蔵あんま関係ねぇからっ!!!
前提を大崩壊させたところで、明日へ続く。明日は藤原秀郷と佐野ラーメンと田沼意次の関係について説明して、読者を更に混乱させます。

*1:やる夫で演じているのはクマー

*2:やる夫で演じるのは福本伸行マンガのキャラクター

*3:やる夫で演じるのはアメリカ資本のファーストフード店のマスコット

*4:やる夫で演じるのは銀魂のキャラクター

*5:やる夫ではデスノートのメロ

*6:やる夫ではドラミ

*7:やる夫で演じるのはガンダムおよび平井久司系キャラクター

*8:やる夫で演じるのはやる夫派生キャラクター

*9:やる夫で演じるのはFateのキャラクター

*10:やる夫で演じるのはブラックラグーンのキャラクター

*11:やる夫で演じるのは封神演義デスノートなどのジャンプ系キャラクター

*12:現在の埼玉県、東京都の大部分。および神奈川県の一部を含む律令制下の行政区分

*13:演じているAAが『ブラック・ラグーン』のグレーテル。つまりグレ(ーテル演じる結城朝)光ということ