2011-09-12

07:48
王義之の書を見ると、「必然」がどうやって生まれるかということを考えさせられる。東アジアの漢字文化圏で書かれる字は王義之の書風の影響下にあり、皆知らず知らずにそれをなぞって文字を綴っている。

07:55
我々が王義之の書に触れたとき、「ああ、この書風が東アジアの文字の源流になったのは必然だった」と思ってしまう。しかし、それは決して必然ではない。

08:02
何故、必然だと思うのか?それは王義之をリスペクトし、模倣する歴史が1600年以上続いてきたから。それ以外の筆法が正流ではないものとして徐々に遠ざけられ、王義之ナイズされていったから。

08:08
そのリスペクトに反逆する人たちも「王義之よりも金石文のがいいぜっ!」と、義之以前に遡って対抗している。義之以降の歴史でそれを否定することはできない。

08:11
我々は王義之の影響を受けた書体に囲まれ暮らし、王義之の影響を受けた書体で文字のつづり方を覚える。この枠組みの中で生きる限り自然と「王義之を必然」だと思ってしまう。しかしそれは偶然ではないにしても、可能性の集積の結果であって「必然」ではない。

08:16
他のジャンルならまだ前の世の影響を否定するよすがはあるかもしれないが、こと書の世界では王義之を否定することは不可能。するにしてもあくまでアンチテーゼとしてであって、王義之をジンテーゼの立場から追いやることはどう努力してもはや不可能。

08:17
しかし当初は必然では決してなかった。後の世が王義之の書風に準うかたちで書を展開していき、それを必然のようにしてしまった。

08:19
「当初からの必然」と「集積による必然」は違う、そして大概のものは「集積による必然」なのだ。皆がその影響下で生きることで世界が「そのように」なっていったのだ。

08:23
こういうこと一つとっても「唯物史観」というものは成り立たないと思うんだけどなぁ。モノによって世界は「規定されている」のではなく、モノを選ぶことによって世界は「そのようになる」のだから。

08:27
私たちの生きる世界も、あらゆる分岐で「モノの分量によって規定される」のと同じぐらい、「モノを偏向的に選ぶ」ことによって流れが決定されていた筈なのだ。そういう「趣味」をこそ私は「ヒューマニズム」と呼びたい。

08:33
しかしそれを必然だと思ってはいけない。世界が窮屈になって、すべてがあらかじめ決められていると誤解してしまう。そういう「集積による必然」を否定ないしは止揚するために歴史学は在るのだと思う。フツーに生きるだけでは「集積による必然」と「当初からの必然」の区別がつかなくなってしまうから。

08:44
タイムマシンがあれば、デジカメとスキャナ持って東晋の王義之の書斎にタイムスリップして、かたっぱしから参考にしている書や金石文を撮影したりコピらせてもらう。そうすれば王義之の書を否定できないまでも止揚できるかも。

10:05
また人身の乱です。ほぼ50パーセントに近くなってきたな、遭遇率。

10:14
人身の発生率が、1急増しているのか、2いつもこれぐらいなのか、3自分が引き寄せるのか、謎。もし急増しているならメディアはどうして取り上げないんだろ?

11:32
「人身」事故「の」影響によるダイヤの「乱」れ。略して人身の乱。

21:48
@m8daw 月の消滅は弥勒下生より前なんですね。そのころ、月光菩薩はどんな名前を名乗っているのやら。

22:00
国会図書館で檀林皇后と藤原良房と光定(こうじょう)の資料漁っとった。藤原良房陰謀説については応天門の変伴善男主謀説が有力になってるけど、承和の変はまだ良房主謀説が強いのね、う〜ん。

22:04
承和の変を良房主謀とするには良房の権力基盤やらなにやらがいまいち弱い気がする。良房、良相、順子の同母兄妹が中心的な役割を果たしたとはいえるけど、やっぱり檀林皇后主謀で良房らは尖兵と考えた方がいいんじゃね?

22:09
だって承和の変の檀林皇后って「あの人」の行動原理とそっくりじゃん。夫との吉野での誓いを無視して、死後すぐに大津皇子を謀殺した「あの女帝」と…。

22:14
アレを持統天皇の主謀として藤原不比等の主謀としないなら、コレも藤原良房の主謀とすべきなのか、って話。

22:20
今考えると持統って、息子の草壁、孫の軽皇子、曾孫の首皇子と直系相続が続くため、不安の芽を刈り取り、あまつさえ即位して天武皇「統」を堅「持」した。あまりにもあからさまな送り名だよな。

22:26
夜叉孫で直系相続がポシャるところもそっくり、檀林皇后と持統天皇

22:37
@Izumi_asato 貞女ともいえるし、鬼女ともいえるし、悪女とも言えるかもしれません。平塚らいてうさんが言うように「原始、女性は太陽であった」と思います。いや、たぶんそれよりももっと恐ろしい「なにか」。

22:44
まさか嘉智子と持統も夜叉孫に宮中某殺人事件の犯人と、ドキュンネーマーな女帝が来るとは思わなかったんだろうなぁ。ホント。だれも想像できんわっ、そんな結末!

22:58
おまけに嘉智子は孫の嫁が東光寺の僧侶と密通、持統は夜叉孫が西大寺の僧侶と密通。あまりにも出来過ぎていてテンプレ的な何かを感じる。

23:29
生者は裏切るが、死者は裏切らない。しかし裏切らない死者との対話は生者のそれの何倍も「裏切り」に似た思いを抱くことになる。だから死者との「対話」や死者の「思い」をあまり信じないようにしている。生者の心は常に死者を推量し、裏切り続ける。

23:49
あ、そうだ、「やる夫が応天門を焼くようです」(仮)。伴善男律令格式の知識を使って敵を倒すヒーローものにすればいいんだ!そうすれば善男の陰気フェイスも爽快なヒーローっぽくなるっ!…ただ問題は律令格式の知識をどうやって読者と共有するか、なんだが。ダメジャン。

23:53
ううう、善男の「行列ができる律令格式相談所」とか?毎回下級官人から寄せられる律令格式の適用基準に関する悩みを、善男が(恣意的に)ズバリと解決する。

23:53
正義のヒーローじゃねえよぉ。


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