凱聖クールギン

じーんせい、らっくありゃ、くーもあるさー。
ああ、水戸黄門*1の歌はいつ聞いてもクールだなあ。

水戸黄門 サウンドトラック

水戸黄門 サウンドトラック

昨今の歌は希望なら希望、愛欲なら愛欲、絶望なら絶望を歌い上げています。それもいいのですが、クールさが足りません。私は自分が愛するものには帰依する気満々なのですが、それ以外のものにはジトっとした疑いの目を向けて日々をすごしています。なので好きな歌手以外の主張にはどうしても突っ込みを入れてしまうのです。しかし、一昔の歌では嫌いな歌手であっても突っ込みを入れません。何故か?突っ込みの余地もないほどどうしようもないか、クールだからです。
特に水戸黄門の歌なんて「泣くのが嫌ならさあ歩け」ですよ。まるで奴隷を追い立ててるみたいです。これが昨今の歌なら「僕が涙を拭いてあげる」だの「泣いた数だけ見返りがある」だのぬかすにちがいありません。しかし水戸黄門のテーマはクールです。自分が他人になれないことを知っていて、なおかつその悲しみ、悔しさは自分でしか解決できないということを短いフレーズで述べているのです。つかず離れず、絶望にも希望にも浸らず、ただ歩け。これです

*1:老後の暇つぶしに権力を振りかざして漫遊する悪辣じじい