テーマ一「仮面ライダー必殺技の型と変遷」

第五講 「第二期ライダーシリーズと二つの系統 前編」
仮面ライダーストロンガー終了後、数年のスパンを置いて始まったのが(新)仮面ライダーです。ただしこの名前は紛らわしいので、ほかのライダーとの区別を図る名称であるスカイライダーを便宜上使わせていただきます。
さて、スカイライダーにおける必殺技はストロンガーと似た傾向をたどるということは前回のラストで述べました。スカイライダーは当初はスカイキックをメインの技としていましたが、第二十八話のグランバザーミ戦をきっかけに強化特訓を受け、99の必殺技を使えるようになります。これは本編中では99出てこないことからハッタリの一種なのですが、技のバリエーションは着実に増加しました。グランバザーミを葬った三点ドロップ、タガメラスを含む二体の怪人に使用されたスカイフライングソーサー。スカイキックを使用する強敵・アブンガーを葬り去ったスカイダブルキックなどが代表的なものといえましょう。しかしメインの技としてスカイキックを残していることから、技のバリエーションは新一号ライダーのローテーションに近い形となります。そもそもが原点回帰を目指したコンセプトなので、まあマッチしているといえましょう。しかし問題なのは最終回間際に多用された歴代ライダー合同のキックであって、その使用頻度の高さと技名を名乗らないこと、ネオショッカー首領にぜんぜん効いていないことから、初代のライダーダブルキックと比べ、著しく価値を落としたものといわざるを得ません。
その後番組にあたる仮面ライダースーパー1はV3のエッセンスを受け継いだ最強の技見せライダーとなるのですが、紙数を超過したため次回に続きます。