ヘルメストリスネギヒトツ
ガニメデからかえって久しぶりに本を読みました。
- 作者: ウンベルトエーコ,河島英昭
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 1990/02/25
- メディア: 単行本
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まあ、そんなことは実はどうでもいい。この作品に対して私が最も言いたい事はアドソ萌えということです。
彼(男)はベネディクト会に属するドイツ人のぼんぼん修道士で、ウィリアムを師と仰ぐ本編の語り手です。彼はホームズに対するワトスンくんよろしく、イギリス・バスカヴィル出身のこの探偵に助手としてこき使われるわけです。そう、まさに彼はバスカヴィルの犬。ですが恐怖の魔犬と違い、彼はこちらがもだえ苦しむほどにコケティッシュであります。かつて小説でこれほど男に萌えたことはありません。
師匠にたしなめられ、すぐに前言撤回するアドソ。
宝石の輝きにわれを忘れそうになるアドソ。
童貞を喪失してうろたえるアドソ。
・・・なんかイイです。このキャラ。この話は老境になった彼の独り語りの型式で叙述されているのですが、そんなことを含めても十分萌えられる快作です。本当はこんなお勧めの仕方をする本ではないのですが、あしからず。