このごろいっすんほしいもの
「ドリルがほしい、腕におっきな、おっきなドリル」
と、唐突にわがままなのだかデンパなのだか、暗喩なのだかわからない始まり方。つまるところ、昔のスーパーロボット*1はドリルに対する執着*2があったなーということ。ガンダムみたいに手まで人型にするよりは、アシュラテンプル*3やサンドージュ*4みたいにごちゃごちゃごちゃごちゃ腕をくっつけてどこか一つをドリルにしちまったほうが敵を倒すにも作業をするにも能率がいいってもんです。邪推と妄想が好きな私としましては、リアルロボット*5のお歴々がこの名前で呼ばれるのは、設定や存在がリアルなんじゃなくて、関節がリアルだからだと感じるのであります。
私の中での本当のリアルロボット(くどいな)は大鉄人17(ワンセブン)*6に出てきた破壊に特化されたロボット群だと思うのです。そもそも宇宙でロボットで戦うこと自体リアルではありませんし、戦うにしてもガンダムではモビルアーマーの方がリアルです。しかも恒常的にロボを使うのは大規模な単純作業や危険な場所での作業が多いわけで、そういったところで働くには細かい機能がごちゃごちゃついているものよりは、でっかいドリルそのものの非人型ロボでバリバリ掘ったり、建材を打ち付けるハンマーロボというふうに特化したほうがリアルなのは自明の理。つまるところリアルロボットはそんな細かい理屈をぐちゃぐちゃ考えなかったスーパーロボットより、マニアックに戦闘向きでない人型を志向したことでさらにファンタジーの域に押し進むというジレンマを抱えてたわけです。うーんそうすっとダンバインの解釈*7が一番リアルロボットの本質を行ってる気がする。さすがは富野。