比叡山大遭難1

こ、この私としたことが・・・。
遂にやってしまいました。え?何をかって。遭難
それはある晴れた金曜日でした。私と真言僧くん*1宇多源氏くん*2の三人は比叡山延暦寺の本尊・薬師瑠璃光如来さま*3の特別開扉に立ち会おうと、徒歩で向かったのです。今考えれば、それが悪夢の始まりだったのです。
我々は修学院離宮*4裏の雲母坂(きららざか)から一路比叡山を目指しました。雨が降ったら川になるという恐ろしい道をへこらへこらと登りつつ、景色がよく見える地帯に来てみたら、あたり一面銀世界!
こけてるのは宇多源氏くんです
お、おかしい。麓はあんなに晴れていたのに。おまけに雪一つなかったはず!それに輪をかけ、我々を不安にしたのはさっきから誰一人として登山者に出会わないこと。これは本格的にやばいんちゃいますか、姉さん。
てな不安はお互い押し隠しつつ、三人とも表面的には陽気に進んでいきます。足は完全に雪に埋まっていますが知ったこっちゃありません。比叡山延暦寺の伽藍内に入ったころには足はすっかり凍結していました。さてこの日記、性懲りもなく明日へ続きます。

*1:後輩。たびたび登場

*2:こちらも後輩。たまたま登場

*3:薬師如来本願功徳経に説かれる、東方浄瑠璃世界に住む仏。成仏前に説かれた十二大願の一つに除病安楽の効果があることから病気なおしの仏として信仰される。仏像では比叡山延暦寺創建の前後に著名な作品が多い。これは国家によって薬師如来の治病効果が山林修行と結びついたためだと考えられる。光仁天皇の時代に創建が確認される室生寺にもこれと同じ傾向が見られることから、薬師と山林寺院の結びつきの時期に関しては今後、よりいっそうの検討が求められる。比叡山における薬師信仰は宗祖である最澄が虚空蔵尾の木を削って自ら薬師如来を作ったという今昔物語の記載などに見られ、その後も代々の天台座主が薬師を造立し・・・・長いわ、ボケ

*4:後水尾天皇の別荘。外国人が見たらただの田んぼにしか見えない