ティーン長屋

熊「八っあん、八っあん!」
八「なんでぇ、熊。やぶからぼうに」
熊「昨日から俺の耳元で赤川次郎三毛猫ホームズの最終回のスジを囁いて、夜もねむれねぇんだ。なんとかしてくれぇ!」
八「・・・熊?俺にゃその赤川だか深川だかは見えねえゾ?」
熊「いや。いる。ほら、今喋った!石津が殉職っ!?馬鹿な。ホームズが去勢っ!?それは一巻でもう知ってる」
八「やべぇ、熊が天狗にバカされた。ご隠居呼んでこよう!」
〜半刻のち〜
ご隠居「熊や。その赤川なんとかってのはどこの誰だい」
熊「へぇ。カッパブックスその他で書いてる作家です」
八「天狗にカッパか!こりゃいよいよ怪奇大作戦だ」
ご隠居「八は黙ってなさい。で、その作家の先生はどうしてまたお前なんかに」
熊「そこがオレにもわからねぇところで。とにかく朝からこの先生の声が離れないんです。いい知恵はないんですか!ご隠居?」
ご隠居「ワシの知らん先生じゃあ話が通じるかわからんな。ワシはラノベしか読まんしのう」
八「ご隠居!ラノベ読むんですかぃ。つうかラノベしか読まないんかいっ!?」
ご隠居「主にコバルトと電撃をたしなむ程度にな。純文学は『いやげ物』と『見仏記』ぐらいしか読まん」
八「純は純でもみうらじゅんでしょうが!そもそもなんでこんな偏った本しか読まない奴がご隠居なんだ!」
熊「大丈夫っす、ご隠居。赤川次郎ラノベにしてもおかしくない作風です。雪之丞さんがイラスト書いてる作品もあります」
ご隠居「それならワシでも読めそうじゃ。今度紹介してくれ」
熊「はい。三姉妹探偵団から入るのがご隠居向きかと先生も言ってます。ただし最終回のネタはばらされますが」
ご隠居「はっはっは、そいつは参った!」



八「落ちたのか!今ので落ちたのか!?つぅかそもそも何時代だ!・・・ちなみに俺は京極夏彦の初期の作品が好きだったりする」