簡単夢枕

かんたん、かんたん。夢をみるのはらくちんちん。居ながら寝ながら立ちながら、からだふわりと心湧く。委ねれば花、委ねねば茎、見ざれば根。ころころことり耳元で私をよぶこえがする。夢か現かはたまたまたはた。「きみのなはなん」こととえば「みやこどり」となむこたえるかもしれんね。名は夢の出口。きかねばいつまでも夢のなかにいられようものを、おろか。きかねば現などなきものを、ふつつか。またあした。またあした。またあした。名前があるならまたあした。名前がないなら明日もないない。さよならさんかくまたきてしかくもない。名前がないなら資格もない。それでいいのだ。夢からふと、こちらにおちきただけなのだから、帰るだけなのだから。
帰る枕を、なくさぬように、ね。
帰ることを、わすれぬように、ね。