痢病日誌2

熱はだいぶ引いた気がする。しかし下痢のほうは一向に治まってくれない。「一向」ただひたすら。専心。信心は矢となり弾となり、ただただ飛んでゆく自動装置。そう、私の肉体は脳を離れ、ただただ下腹部の命令を聞く、自動装置、奴隷。
王将のCMを見て吐きそうになる。視覚においても食物を受け付けぬとはよっぽど。つくづく「食べる」とは五感を持て行うものだなと思う。ひとつ狂えばすべて狂う。私は今、私の奴隷でなく、名も無き体の名も無き下腹部の名も無き腸の奴隷。システムであることを忘れ、浮かれすぎた脳に体がバチをあてくさりやがった。兎に角買ってきたポンジュースを延々と飲む。何故だろう?なぜポンジュース買ってきたんだろう。自分でもよくわからない。