温もり求めつ

早く金剛寺*1が境内一括で国宝指定されないかなーと願うマントラプリです。おこんにちは。最近ぐっと寒くなりましたね。季節とアニメと特撮と文化財と観念論しか話題にしない私のブログにも、寒さはひしひしと伝わっております。
で、これだけ寒くなると当然暖かいものが恋しい季節になります。そうです、この時期に必要なのは人の温もり、人情(にんじょう)です。そんなものを探すため、旅に出ようと思いましたが野垂れ死にがありありとビジョンに浮かぶので止しました。人情とは偏在するものであってどこかに凝り固まっているものではないのです。例えば田舎に行って、土地の婆から暖かい食事を供応され、人情を肌で噛み締めたと思えば、翌日には村の鎮守の生贄と化しています。そんなもんです。人情の強さ、暖かさ=排他性です。排他性の強い人間ほど強烈な人情を持つというのは皮肉でもアンビバレンツでもなく自明の理であります。集落や共同体の利益のためなら、そ知らぬ顔で他人のそっ首を叩き落せる人が真に情に厚い人です。博愛主義者はキリストや釈迦などを見ればわかるように、万人に分け隔てなく接するため身内には冷たいし、どのような人とでも一定の距離を保ちます。それが博愛を維持する唯一の方法なのです。
人情に漬かりたければ、その裏にある偏愛や差別に目をつぶらなければなりません。ドライアイスで火傷してしまうあの現象に近いものが、われわれを取り巻いているのですから。

*1:河内長野にある寺。境内の建物の多くが鎌倉期のもので多少補修が入っているもののその残存密度は一種独特のものがある。ただし多宝塔などは後世の補修が入っている