ザ・グレイテスト・ファイト

前置きは抜きにして師匠のとんかつばばあ師*1と、あゆ様狂い師*2と飲んできました。一次会(私にとって一次会だが、彼らにとっては五次会らしい)は侘屋古暦堂に再び。ここまではアナーキンブッコロスカイウォーカーくん*3と後輩の紀勢くん*4も同行。
レバー最高です。ここのレバーを食して、初めてレバーというものの旨さを知りました。まさに神のレバー。突き出しで出てくるキャベツをもさもさ食いながら、「キャベツだけで暮らしていける」とも思いました。新鮮な野菜はそれだけでご馳走です。もさりもさり食った後、アナーキン、紀勢両氏と別れ、二次会会場へ。
二次会会場は大和大路沿いにあるワインの店です。周りがあっち系の店ばっかりなのであまり期待しないで入りましたが雰囲気はぴか一です。ワインの品揃えもワイン好きのとんかつ師を唸らせるほど。冥い店内のほの明かりの下、ワインのレッドレイが白いテーブルクロスに投影される。とても神秘的です。雰囲気を楽しんだ後は三次会会場。
ここは私が友人の623氏に教えられたアイリシュパブの店で、さっきのワインの店から徒歩1分のところにあります。十二時を回っていたにもかかわらず西洋人が20人ぐらいで大騒ぎでした。日本人がほとんどおらず完全にアウエーです。ピーナッツとミニミニプレッツエルをぼそぼそ貪りながらギネスと軽井沢名物のよなよなエール*5をグビグビとやりました。あゆ様狂い師はこのアウエーな雰囲気が馬鹿にお気に召したようです。彼ら二人はドイツに遠征して全身ビールで出来ているようなゲルマン人と死闘を繰り広げたような猛者です。ドリンカーとしての血が騒ぐのでしょう。ちなみにこのブログの名前である生涯原液35度
「純35度という焼酎を俺は生涯原液(現役)でイッキし続けるぞ」
という私の決意の現れであり、そのどうしようもなく愚かな決意を私に植えつけたのがこのお二人なのです。だから彼らは私の師匠にして支障であり、やがては死傷となるのです。
さらに四次会。もはや死ぬ気です。河原町木屋町の間をジグザグ走行でウロウロした挙句、先斗町歌舞練場前の怪しげなジャズバー「マジョリカ」を発見。薄暗い奥まったところにあるその店。そしておジャ魔女好きの私を刺激するその名前。*6それだけならまだいい。店の看板に紙で張り紙がしてあり漢字で「魔女利華」とアテ字がしてあったときにはあまりの怪しさとアバンギャルドっぷりに思わず及び腰となってしまいました。しかしブチ進む二人の猛者にして亡者。わたしも覚悟を決めて店内に入りました。
・・・あ、いいわ。ここ。
狭く、暗く、カウンターのみしかスペースのない怪しい店内。そこにボソボソと音を立てながらレコードが回っています。客の一人はずっと寝ていて、もう一人はニューヨークで生活してたオッサン。でてくるサッポロの瓶ビールは見たことないラガー。そこだけは別の時間が流れているような空間でした。今までのよしなしごとを人と語ってもよし、一人でマイワールドにひたるもよし。何か、そこに滞留する空気が、いい感じで淀んでいるのです。それは停滞とも言えるし、偏在とも言える。そこを出れば雲散霧消する。格別惜しくはないが、あって欲しいもの。とかく名状しがたい良さがあります。機会があれば行きつけにしたいし、じっくりと、さして重大でもない、でもとても大切なことを話したし、考えたい。そんな店でした。
てなことでウチで五次会。二人に至っては九次会です。なんて連中だ!?会場は我が家コーポアルテスムゼウム。あゆ様はすぐに涅槃に入られたので、とんかつさんと延々ジャンプ漫画のあるべき道、珍遊記*7や地獄戦士(ヘルズウォーリア)魔王*8の面白さ、つの丸の真面目さ、荒木飛呂彦の稀有な才能。そしてジャンプの荒唐無稽な作品展開を否定したり、批評する人間たちが何も生み出してこなかったということを熱く語りました。ああ、おやすみなさい。

*1:歴戦の猛者。王様の称号を持つ男。現在それを継承しているとおぼしいのが宇多源氏くん

*2:歴戦の猛者にして特攻体調。純の称号を持つ。一人称は「おっさん」

*3:本ブログにもたびたび出てくる後輩

*4:狂気の寅キチにしててっちゃんな後輩

*5:623氏が薦める軽井沢の地ビール。お試しセットだと350ml二本が送料無料の500円で送ってもらえる

*6:某魔女ガエルの名前より

*7:漫☆画太郎出世作。その強烈なギャグと伏線の回収っぷりは他の漫画がなしえなかった境地

*8:三巻で終わってしまったが魔王くんの出オチが最高に面白かった