読書の冬です。コタツに丸まって本を読むか、「ダッシュマシンハヤブサ」を歌うぐらいしかすることがありません。そこで私の読んだ本を皆さんに紹介していきたいと思います。ただし現実には存在しないので本屋にダッシュはしないで下さい。

今や失われつつある伝統工芸・死蝋の造り方について述べられた好著。死蝋(しろう)とはミイラと同じく死体の保存法の一種で、暗室で温度が一定に保たれた場所において死体が蝋化し、腐敗しない現象を言います。著者の多治見氏は旧家の出身ながら、若い頃やんちゃを重ねた自身を反省し、後半生は自ら死蝋となることで、死蝋の研究を飛躍的に進めた情熱家です。
死蝋となった氏は今では鎧を着て、鍾乳洞の本尊として鎮座しているそうです。近隣の住民は多治見氏の若い頃のやんちゃのため、彼について聞かれると良い顔はしません・・・。



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