部屋の種々草々

帰ってきたら、カウンターが、凄いことに。70000ヒットいつの間にか越えてましたよ。その結果、
「70000ヒット踏んだら好きな絵を描くか、題材を出してもらって四コマを描くか、その人の好きな作品でブログの記事を書きますよー」
といういつもの告知を忘れておりました。国恥(こくち)です。てことで80000ヒットを踏まれたお方には上記の欲求にお答えしますので、是非「俺踏んだ」との書き込みをお願いします。
さて本日も金月龍之介特集。タイトルに示したように金月脚本の部屋に対するこだわりを示してみたいと思います。今回サンプルとして使用するのはこの三作と、

ニニンがシノブ伝 1 [DVD]

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フタコイ オルタナティブ Scene 1 [DVD]

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月氏によるノベライズ版「雫−しずく−」。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4896012917
上記のテレビ三作品にはそれぞれ主人公たちが活動の拠点とする「部屋」があります。
ニニンがシノブ伝」…楓の部屋、忍者屋敷
フタコイオルタナティブ」…探偵事務所
まなびストレート」…生徒会室
主人公たちのドタバタはこれらの「部屋」を基点として行われることが多くなっています。エンディングのクレイアニメでもこれらの部屋は丹念に作りこまれており、その中での主人公たちの日々を描写しています。部屋の重要性がうかがえます。
また、これらの部屋の多くが初期話数でリフォームされている(もしくはする羽目になった)ことにも注目しなければなりません。ニニンがシノブ伝にはこの傾向は見られません。強いて言えばシノブが楓の部屋に急に現たことで、「楓の部屋」という新たなる部屋をシノブが獲得した第一話でしょうか。一方でフタコイオルタナティブでは第一話で事務所が爆発、天井に穴が開いたシュールな部屋へと変貌しています。まなびストレートは物置同然の生徒会室を二話で工具や材木を買ってきて、自らの手で大々的にリフォームしています。
このような初期話数における部屋の変質は物語の導入と、新しい部屋における新しい関係性の構築を示している、と感じます。新しい部屋での、新しい友人との、新しい日々。その日々をつづったのが全一クールで描かれた、これら三作品なわけです。
そして、これら三作品とは別の意味での「部屋」を表現している「雫−しずく−」について触れおかねばなりますまいて。
この作品で中心となるのはまなびストレートと同じく「生徒会室」が舞台です。生徒会長である月島拓也によってリフォームされた生徒会。それは天宮学美が目指した「まっすぐゴー」な世界ではなく、ねじくれた毒電波飛び交う陵辱地獄だったのです。これも新たな部屋による、新たな関係性を模索しておりながら、その方向性は地獄へと急直下しています、げに恐るべし、金月龍之介
最後に、雫のヒロイン・新城沙織は学校に差し込む月、丸い月をみて恐怖に目覚めました。月。そう、金月作品のこれらの部屋には皆、月が差し込んでいるのです。それらの月は主人公たちをときに陽気に、ときに狂気へと包むのです。
この月を私は「金月」と呼んでいます。