四月馬鹿が戦車でやってくる

上手い嘘が見つからず。部屋を飛び出す。
どうしていつもこうなんだろう。肝心なとき嘘が下手。折角の四月馬鹿に、この馬鹿。

皆は現実を見ろって言うけれど、現実は多分に嘘で出来ている。
真実は、真実であるが故の無味乾燥なメルヘン。

世界は「嘘みたいなホント」じゃない。人間世界は「嘘みたいな嘘」で出来ている。よくできました。立派な嘘よ。いい嘘よ。

いいこいいこあなたはいい子。よい嘘つけるあなたはよい子。立派な大人になれましょう。眩しい笑顔、とってもうそ臭い。だけどよい、だから良い。

真実は首絞める真綿。だから皆信じてる。だから皆愛さない。僕たち、とっても愛で出来ている。愛はいつも嘘。

嘘でつくったお砂のお山。どうせなら、もっと大きくしちゃいましょう。もっともっと大きくすれば裸の王様を誰も笑わない。裸の王様を笑うものが嘘になる。

僕等はいつでも探してる。真実よりも満足を。それが嘘でも代入可能、交換可能。ただし返品できません。だから笑おう。笑って嘘。

四月馬鹿になるまでもなく。僕はいつも嘘吐きさ。だからかんべん。今日だけは。
嘘吐かぬという嘘生きる。