モンキー・パンチ入洛

今日はアナーキン・ブッコロスカイウォーカーくんと一緒に京都国際マンガミュージアムに行ってきました。そう、モンキー・パンチの公演を聴きに行くためです。
皆さんもモンキー・パンチの名はご存知でしょう。「ルパン三世」の原作者です。そのモンキー・パンチ氏が「マンガ・建築・町おこし」というテーマで自身の生まれ育った町をキャラクタービジネスで振興することの苦労と面白さを語っていました。
モンキー・パンチ氏が生まれたのは北海道厚岸郡浜中町という場所でコンブ漁とムツゴロウ動物王国で有名なところです。この町の名前はルパン三世の原作でもしばしば出てきており、ルパン帝国の所在地でもあります。また納谷悟朗の代表キャラとしてお馴染み・銭形警部の語源は銭形平次と共に、この地に生息するゼニガタアザラシから来ているそうです。私としてはコンブ漁の盛んなところが北前船との関係を含めて気になるところですが、それはまた別の話。
この町を活性化するためルパン三世を使った町おこしを展開しようと考えているのですが、そこには多くの困難が付きまといます。まずは町の予算が足りず、施設を建設する余力がないこと。もう一つは作者自身が著作権の全てを管理しているわけではなく、自由にルパンのキャラを使えないと言うことです。特に後者に関してはモンキー・パンチ氏も苦慮しており、キャラクターを使った町おこしの成功例である鳥取県境港市水木しげるロードを羨ましがっていました。
で、講演のあとの質問タイムですが、皆さん博識でモンキー・パンチ氏に対してマニアックな質問を飛ばしていました。そしてある一人がついにたずねてしまったのです。「モンキー・パンチ先生。先生原作のMUSASHI -GUN道-の成功をどう思いますか」と。
・・・オイオイオイいくらなんでもMUSASHI -GUN道-は禁句だろう。少し場が凍りついたようになりました。しかしモンキー・パンチ氏は大して動じた様子もなく「あれは僕の原作としてほしくないアニメですね」と語りました。大物だ。それに対して質問者も負けていません。「でも構想12年ってありましたよね?」
・・・よっぽどこの質問がしたかったんだろうなぁ。ムサシストだなぁ。それに対しては「あんなのテレビ局が勝手につけた事だよ。もともとは「ダブルトリガー」というタイトルの話でちょうど大河ドラマで「宮本武蔵」がやってたからあのタイトルになった」「ハリウッドのスタッフに脚本を担当してもらって劇場用に作っていたものが企画がだめになってああいう形になった」「違う意味で成功したが、私としては不本意」という趣旨をやんわりと語っていました。とても紳士です。もっととっつきにくい無国籍な人を想像していたので、実物の人格者ぶりに驚きました。
最後にマンガ創作の方法については、


①とにかくアイディアが浮かんだ箇所から書き始める。序盤でも中盤でも結末でもかまわない。
②ネタが決まったら規定枚数を伸びてもいいので下書きを書く。
③その中でもハジけた部分を後ろの方におさめ、前半部分のムダゴマや描写を削っていく。起承転結の結だけはシッカリ押さえておく。


とのこと。大変参考になりました。
モンキー・パンチ氏の頭やそりこみの形はルパンにとても似ていました。やっぱりキャラクターは作者に似るのだなぁということを実感した次第です。
おわり