〜真の敵は試合の外にあり〜 テニプリにおける場外アクシデント

「事件はコートで起こってるんじゃない。コートの外で起こってるんだ!!」

テニスの王子様のセカイでは、様々な事件、事故が発生する。場外へ吹っ飛ばされる。骨折する。フェンスにめり込む。照明が落下する。肘がイカれる。流血沙汰。気絶。エトセトラ。
しかし諸君。忘れてはいけない。危険な事件はコートの中だけではない。むしろコートの外はもっとキケンなのだ。今回はコートの外で起こるアクシデントを取り上げ、テニスというスポーツに安息の場所が無いことを証明したい。

まずはテニプリ第1話。今ではすっかり空気と化したヒロインが電車の中でラケットを振り回す男によって危険な目にあっている。まあ、これは序の口。まだ誰も怪我をしていない。しかし場外の無法地帯化はすでにこのときから始まっていると言えよう。
本格的にその傾向が見られるのは、山吹対不動峰戦からである。試合近くになっても、不動峰の立花部長以外のメンバーがやってこない。そこに遅れて登場する堀尾以下の不動峰メンバー。しかしテニスにいつもの冴えがない。どうやら来る途中タクシーが事故ってメンバー全員が傷を負ったらしい。この試合。不動峰は棄権する。
また最初の青学対氷帝戦。レギュラーの大石副部長が来ない。様子を見に行った桃城の前に手に包帯をした大石が。どうやら来る途中妊婦を助けて骨折してしまったらしい。結局大石は桃城とレギュラー交代する。
この問題を取り上げるのに銀華中を忘れてはいけない。彼らは学校に乗り込んできた越前と亜久津によってボロボロにされている。おまけに関東大会一回戦でメンバー全員が食中毒で再起不能に。どうやら乾の製造したスペシャルドリンクを調合して服用してしまったらしい。その後彼らの姿を見たものはいない。そして、彼らが試合をした姿を見たものも、いない。
そういえば手塚部長の怪我も試合外の出来事である。そして何より多くの死者、食中毒者、損害、賠償金を生んだ焼肉、ビーチバレー、ボーリング。これは全て場外での事件なのである!
かように試合前の事故はテニプリにおいて頻出する。しかも地味に。どうみてもそんな重傷を負っているようには見えない描写のクセに、結構な再起不能ぶりである。後々効いてくるブローのような破壊力を持つのが、テニプリの場外における事故である。
今回越前が軽井沢にいるのも、なにか恐ろしい事故に巻き込まれた予感がしてならない。雪崩に巻き込まれたか、新幹線が転覆したか、はたまたあさま山荘事件の人質になっている、か。


越前リョーマの無事を祈ってやまない。あと、帰りのヘリが墜落しないことも祈ってやまない。