つぼつぼさかさか2

山林を抜けるとそこは桃源郷でした。

山道を越えるとそこに広がる大伽藍。ビックリデス。人がいっぱいいました。みなバスで上ってきたみたいですね。しかし、山上伽藍でも、ここまでハデハデなのを見るのは初めてです。私と宇多源氏君は早速本堂へ。
般若心経を唱え、悩殺納札をして、本尊とご対面です。この寺の本尊は千手観音で、室町時代の作です。宇多源氏くんが研究している宿院仏師の作例に近いものがあるため、彼は興味深げに見ていました。私はその横に置かれている四天王が京都国立博物館に寄託されている六波羅蜜寺のものと似通っており、10世紀に遡るくらいの作例と考えられ、興味深かったです。
本尊の脇ではお坊さんが目薬を売っていました。1500円です。
と、そんなことより何故目薬があるのかといえば、この寺は沢市、お里の「壺阪山霊験譚」で有名な寺だからです。なんじゃそら、という人にかいつまんで説明します。

盲目の沢市とその妻・お里は壺阪山の観音が眼病にご利益があると聞き、麓の油屋・伊勢屋の協力の下、壺阪寺に参拝を続けます。しかし目は一向に治らず、悲観にくれた沢市は谷に飛び降り、お里もそのあとを追います。
「そのとき、奇跡が起こった!!」*1(cv政宗一成)
本尊の千手観音によって助けられる二人。おまけに沢市の目が見えるようになったではありませんか!この話は壺阪山霊験譚として、浄瑠璃のテーマにもなり語り継がれたとのことです。
「こいつぁスゴイぜ!!」*2(cv政宗一成)

というわけで目薬を売っているのです。茶店にはブルーベリーアイスや目に効くお茶も売っています。これらの眼病商法は島根県一畑薬師に近いものがあります。
また、境内の一角には巨大石造観音やら涅槃仏やらがごろごろとしています。

まっことシュールです。
で、このあとは城攻めが待ち構えております。そう、大和の山を白く変えた幻の近世城郭・高取城への登山が待っているのです!
続く