踊るアホウに見るアホウ、同じアホでも…あたしゃ絶対に踊りたくない

ということで、金剛神くんやフレンドリーくん、id:tukinohaくんと盆踊りを体験してきました。

死霊の盆踊り デラックス版 [DVD]

死霊の盆踊り デラックス版 [DVD]

史上最大の迷監督・エド・ウッド脚本による本作。いやがおうにも期待と倦怠が高まろうものです。私mantrapriは悪食でして、大概のクソ映画には耐えることが出来ます。いや、逆に「クソ」と呼ばれているものにのみ芽吹く「キッチュ」さとでもいうべきものを愛そうと努力します。
そんな私でも、この監督だけは不可能でした。
ほとんどされないカット割、固定されたカメラ、前後の脈絡の無い場面転換。それに比してだらだらと続く場面。状況説明の役割すら果たしていない台詞。さながら目の前の的に銃を撃ち、百発百中かすりもしない、逆天才もとい天災的監督です。このようなすばらしい監督には二度とお目にかかることは無いでしょう。…自主制作ですら!
で、肝心の本筋はといえば、

墓場に行かないと小説のアイディアを思いつかない作家とその彼女は、車に乗って夜の墓場ドライブとしゃれ込んでいた。が、その途中、車は崖に転落。かろうじて助かった二人がそこで見たものは、死霊たちによる恐怖の宴であった!!

こう書くと面白そうですが、なんのことはありません。延々と一時間半ストリップショーを見せられるだけです。しかも悪霊王は台詞を覚えてないのでいつもカメラの外のカンペを読んでいます。ヴァレヴァレです。おまけにストリップといっても激しいダンスなんか全然なし。衣装も均一料金のレンタルの貸し出し。サイレント映画で字幕がまったくなくても本編の内容は分かります。ええ、そうです、延々と盆踊りストリップショーを見続けるだけです。本当に有難うございました。こんだけ前編が女性の裸なのに、性欲を離れ、禁欲の世界にいけそうな勢いですよ。まさに「盆踊り」江戸木純さんの邦題「死霊の盆踊り」は、本編の内容をこれ以上ないほど的確に描写しております。往年の名邦訳「翼よ、あれがパリの灯だ」に勝るとも劣らない名訳です。ただ、この映画が名作であったならば。
とにかく最低傑作です。ホラーとストリップをミキサーにかけて粉々にして、ふりかけをかけて、醤油で食べようとしかけて捨てて、そこらへんの砂場の砂をじゃりじゃり噛むような、息もつかせぬ時間が展開しますよ、一時間半以上も!!
私たちだけこんなに無為な時間を過ごして、他の人が過ごさないなんて不公平です。そういうルサンチマン的な意味でオススメです。勝手に見てください!!