今月の大法輪

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大法輪 2008年 05月号 [雑誌]

大法輪 2008年 05月号 [雑誌]

私の定期購読している雑誌・大法輪五月号。好評発売中です。
今号は特集「心とは何か」ということで、仏教諸宗派における「こころ」の捉え方について分かりやすく説かれています。
私のオススメはスリランカ上座部仏教・長老であるアルボムッレ・スマナサーラ氏の「ブッダは心をどう説いたか」という記事です。ここでは仏教における「認識」の世界について、平易、かつ奥深く述べられています。ドブネズミのたとえの中のドブネズミ(死体)のセリフ「我は、人間にとって超気持ち悪いかっこうをしてやろう」がサイコーにキテます。「仏教」=「迷信に近いもの」と捉える方には、目からウロコの特集となっています。
今号の特集とあいまって、前号より連載が始まった大法輪カルチャー講座「唯識入門」も絶好調です。我々が普段使っている「意識」や「見識」といった仏教用語の理解が深まると共に、西洋哲学の「唯心論」と仏教哲学の「唯識論」の差異が明確に示されています。西洋思想がまず「ある」という固有性を立脚点とするのに対し、仏教思想が関係性や運動のなかに本質を捉えることが示されます。
唯識と言えば、ナーガルジュナ(龍樹)。ということで今回の特集では、龍樹を龍猛という名で真言八祖に位置づけている真言宗の立場からの龍樹に対する言及が多いです。そのいずれもが、ダライ・ラマが龍樹について述べられた発言に触れており、暗にチベット問題への懸念を表明する形となっています。
また今号の「インド仏教人物列伝」。第二回は十大弟子中、智慧第一の舎利弗の登場です。大乗仏典においても阿難陀と並んで登場回数が多く、般若心経の「舎利子」でもお馴染みの人です。
また、「ネットde仏教」では、大正新脩大蔵経のテキストデータベースの検索方法を紹介しています。
大正新脩大藏經テキストデータベース ホーム
このページにアクセスすれば、お経をダウンロードし、自宅で紐解くことが出来ます。私は早速、空海の「般若心経秘鍵」をダウンロードしてみました。自分のパソコンがあっという間に経蔵に大変身。便利な時代になったものです。
というわけで、大法輪五月号は定価840円。全国の書店で販売中です。別に回し者ではありませんが、興味があったらお手にとって見てください。