アイドル番長揃い踏み
最近読んでる漫画の新刊が出ました。
- 作者: 鈴木央
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2008/05/16
- メディア: コミック
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主人公の金剛番長こと金剛滉(こんごうあきら)は番長によるパワーゲーム・二十三区計画を阻止するため、多くのイロモノ番長たちと戦いを繰り広げます。
二巻での相手は、念仏番長*1、剛力番長*2、そして卑怯番長*3の三人です。
連載誌の少年サンデーでは、上記の番長と、一巻で敗れた居合番長の四人がアイドル番長*4として、金剛番長の味方となって登場します。したがって二巻までを購入すれば、現在の連載の流れにもすんなり追いつけます。(なんか、おんなじ薦め方を今月の大法輪でもしたような…)
少年漫画の定石として、苦戦を強いられた強敵こそが、後の心強い味方となる。いわゆる「強敵と書いて『トモ』と呼ぶ」理論がございます。金剛番長でいえば二巻の段階までに戦った番長たちが、この「強敵(トモ)」の範疇に入ります。
しかし、この「強敵(トモ)」。いいことばかりではありません。「強敵(トモ)」は味方になった途端、極端に弱体化します。そう、これを私は「テリーマン理論」*5と呼んでいます。
あれだけ強大な、敵として立ちふさがったはずのキャラクターが、いざ味方にした途端弱体化する。RPGで言えば、四人がかりで倒して味方にしたはずの強敵(トモ)のステータスが、敵として戦ったときよりもガクンと下がるのと同じ理論です。「オマエ、昔はHP10000以上あったやんけ!!」と、突っ込みを入れたくなる気分のアレです。
過去、多くのキャラクターたちが「テリーマン化」を避けるために努力してきました。テリーマン本人も、超人タッグトーナメントにおいてキン肉マンと袂を分かち、ジェロニモとタッグを組みます。サスケはナルトやサクラののもとを去り、今ではナルトよりも主役に近い位置にいます。フェニックス一輝は最初から馴れ合わず、ラスボス戦や、副ボス戦など、肝心なときに美味しい所をさらう「漁夫の利属性」を身に着けました。…ヤムチャは結局なすすべがありませんでした。
かように少年漫画においては「強敵(トモ)」の「テリーマン化」とその「対策」は重要な案件になってきます。そう、対策を立てずにほうっておけば「強敵(トモ)」たちはどんどん劣化していってしまう。アイドル番長軍団を劣化させずに、いかに保っていけるか。これからますますインフレーションが進んでいくであろう「金剛番長」において、鈴木央に課せられた最大の課題ではないでしょうか。*6
次回は、なぜ強敵(トモ)が「テリーマン化」するのかを、下記の著作に基づいて考えてみたいと思います。
キャラクターメーカー―6つの理論とワークショップで学ぶ「つくり方」 (アスキー新書)
- 作者: 大塚英志
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2008/04/01
- メディア: 新書
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