四大週刊誌雑感

ナマのマンガ読みになる宣言を以前にしてから、四大週刊少年誌を一ヶ月買い続けました。ここで雑感ともども気づいた点をお話します。
1.サンデーがカイジ路線
福本先生のマンガ自体が読めるのはマガジンですが、何故だかサンデーの方がカイジ路線を前面に打ち出しています。私がカイジ路線というのは、心理戦を駆使するマンガを指します。デスノートやら、ハンター×ハンターも広い意味ではこの中に含まれます。サンデーは何故だかこの路線のマンガが、「魔王」や、「ギャンブルッ!」や、お馴染み「LOST+BRAIN」と三つもありますね、ハイ。
2.ジャンプの筋肉主人公、一人だけ
そうなんですよ。しかも最近始まった「トリコ」のみです。往時は筋肉のジャンプといわれた、黄金の筋肉時代を作り上げた少年ジャンプに筋肉主人公がっ、筋肉がっ、ないんですよっ、奥さん!!今を遡ること20年前、1988年のジャンプはジョジョドラゴンボール北斗の拳、男塾とまさに聖マッスル第一話のごとき筋肉の牙城であったというのに。*1
3.アキバ立志編
さて、筋肉マンガの減少と比して、各誌のスターダムに踊りあがろうとしているのが「アキバ魂」を持ったオトコたちです。そう、前世紀においては力と力、肉弾主義で物事は解決されてきました。その流れは80年代を過ぎ、90年代になっても変らず、マガジン主義*2が示すように、力を行使するものこそが主役となれる状況は変りませんでした。
しかし2000年の現在は違う。今では熱きアキバ魂を持ったオトコたちがヴァーチャルのみでなく、リアルにも己が覇道を築こうと立ち上がっているのです。ジャンプでは「バリハケン」が、サンデーでは「神のみぞ知るセカイ」が、チャンピオンでは「弱虫ペダル」と、なぜだか同時多発的に、オタクどもが現実に妥協することなく、己がテクで覇権を掴もうとしているのです。
4.マガジン主義未だに健在
四大週刊誌のカラーは大きく変りましたが、その中でもなぜかあんまし変化が見られない(気がする)のはマガジン。それはひとえにマガジン主義と呼べる要素が90年代から健在と言う点にあるでしょう。
1.編集部の積極的な介入とカラー作り
2.あくまで「ゲンジツ」なマンガたち。*3
3.読みきり企画物多い。(MMRとか災害モノとか)
4.他誌より物語のスパンが長い作品が多い
5.ファンタジー(ネギまフェアリーテイル、ツバサ)が少なくないのになぜか紙面から浮いている
また機会があれば「マガジン主義」については語ります。
5.フラグマンガの横行
世はまさに大フラグ時代!各誌、フラグマンガがよりどりみどりです。
マガジンでは「スクールランブル」が各キャラクターそれぞれが、老いも若きも主役もワキも、めいめい勝手に赤外線レーダー以上の密度でフラグを張り付くし、総身これフラグといっていいほどに膨張しております。詳しくはいずみのさんのピアノ・ファイアを参照してください。
サンデーでは「神のみぞ知るセカイ」が毎回毎回ヒロインに対してフラグを立てて攻略をはかっています。文字通りフラグ道を地で行くマンガ。エルシィかわいい。
ジャンプではネウロの、うっすらと透けて見える死亡フラグがコワイの何の。
そしてチャンピオン。というか「範馬刃牙」!各キャラクターがピクルに対してフラグを立てようともがくそのありさまは、そこいらのギャルゲーなど目ではありませんっ!!

*1:ちなみに聖マッスルはマガジン連載でした

*2:不良を先生にしたり、政治に絡ませたり、警察官にしたりエトセトラエトセトラ

*3:ジャンプのバトルワールドや、サンデーのファンタジーや、チャンピオンの原色シュールレアリスムとは違った、地に足のついた、ただし不良がいつも絡んでくる現実世界がマガジンにはあります