4ページの永遠

サナギさん最終回。すばらしかった。

サナギさん 6 (少年チャンピオン・コミックス)

サナギさん 6 (少年チャンピオン・コミックス)

人間は『人生』という、限られた時間の中で生きている。
同じ日、同じ瞬間は二度と来ないし、あの日にも、帰れない。
その一方で循環する『日常』の中でも生きている。
同じ本はいつ読んでも、同じ内容だし、
毎日のバスの時間もダイヤが改正されない限り、同じだ。
そんな『戻らない時間』と『回り続ける時間』。
人は二つの時間の狭間を行ったり、来たりしている。


これは当たり前のことだけど、サナギさんの凄いところはこの「先」に行ってしまったことなんだ。
人は好きな『時間』に生きることができる。
一過性でも、循環でもない、ただひとときを、
再体験することができる。
あの人を、待つことで、
あの人に、会うことで、
あの人が、いることで、
時間すら、飛び越える。


4ページでここまで世界と時間の深遠を見せてくれるとは、思わなかった。