女体化というメソッド

前々回告知したように、髭のおっさんの漫画ばっかり描いているのに飽きました。
なので女体化メソッドを勝手に駆使して、主人公のリュディア王クロイソスを描いてみました。

うーん、ドラクエっぽいね。頭のイカリング飛鳥ももこだし…。
私はむさい男の害悪性を説きたいのではありません。愚痴りたいのでもありません。ここで述べたいのは女体化(にょたいか)というメソッドの有用性ですね。
まあ、非常にジェンダーなテーマでありますが、女体化は男にとってイントロダクション(導入)を容易にするという効果があります。
その代表的なものがTYPE-MOONの作品群で、あれは伝奇や、神話のエロゲ的再解釈。すなわち「女体化」なのです。吸血鬼も、アーサー王も、太極、両儀という「概念」ですら、女体化してみればあら不思議、すっかり攻略対象になるわけですね。そういう、自分たちの性質を理解しているからこそ、奈須きのこ武内崇は『フェイト/ゼロ』での虚淵玄の手腕(女体化させることなくアレクサンドロスや彼のマスターを萌え(燃え)キャラ化した)に驚嘆したのでしょう。
つまり女体は、殺人犯であろうが、精神が男であろうが、概念であろうが、たやすく感情移入させる効果があるのです。まあ、シンパサイズでなく、あくまで攻略対象という邪な肩入れですが…。さらに邪なことに、限りなく女に近い造形の男も「こんなかわいい子が女の子の(以下略)」という理論で、攻略対象と化します。男にとって「女体化」ないしはそれに限りなく近い「記号化」は、それだけでコミットを容易にするのです。
エロゲが、あらゆるジャンルを越境するのは、過去のジャンルの「要素」に「女体化」を組み込む作業こそが「エロゲ」であるからにほかなりません。
あー男とは不順なくせに、不純には靡く(なびく)生き物也。