東方中毒曲〜私的東方ツボPV撰〜

東方動画にモグフヨ(モグモグフヨード)さんがカエッテキターッ!!

その脈動感ある筆致、豊かな構図、即興詩人の如き神速さ。あらゆる面でニコニコの東方ユーザーを沸きあがらせていた人でした。七月以来七ヶ月ぶりのうpに、当方の胸は沸き立っている次第であります。
そこで今回は、「私的東方ツボPV撰」と題して、歴代の東方作品のPVにおける、中毒性の高いものを、その作者と共に紹介していきます。


私の中でモグフヨさんの最高傑作。原曲はミサイル(おそらく核爆弾)の心情を歌った歌だが、それがフランドールの心情にマッチしていて切なくなる。姉が自分を呼ぶ紅いボタンを押してくれるのを無邪気に待っているのだが、その日は来ない。泣くところなんかどこにもないはずなのに、体育座りでフランは陽気に笑っているのに、なぜか見るたびにウルっときてしまう。「やれるぜっ♪」のところで腕を振り上げて笑うフランとか、もう…。
後の動画で救済が訪れるのが救い。


幻想郷の名にふさわしい神秘的な動画。東方シリーズの作者・zunの画風(zun絵)の再現率は群を抜いている。原色ベッタリ、中国の神獣や日本の鳥獣戯画のモチーフをちりばめた世界は濃厚。さながらアンリ・ルソーの絵の中にいるような錯覚を受ける。東方原作の持つ、というか匂わせたい「ここでないどこか」にもっとも近い動画。その周囲におもねらない孤高の画風と解釈、選曲の妙には賞賛を惜しまない。


作者・Pマンのゆっくりシリーズの中でも最高級の問題作。*1ニート姫・輝夜の日々をつづった唄。『日本むかしばなし』のエンディング「人間っていいな」の替え歌なんだが、もはや原形をとどめていないし、原型を思い出せなくなる中毒性。本当に「ゆっくりでいい」気になってしまうから恐ろしい。全然よくないんだがなっ!!あらゆるモチベーションが、輝夜の抑揚のないコメントによって間髪いれずいなされていく。アリ地獄的ななにかを感じる。ユーザーコメントが動画に対するものではなく、ユーザーのあせりや倦怠感、所信を表明する場になっているところも特徴。


セメさんの代表作。借金大王の歌詞と本編の適合率は見事。書き分けのパターンもあざやか。フランとか魔理沙とか、歯を見せながら笑うキャラの絵がいい。この人の描く魔理沙は男の情けないところと、憎めないところを体現している。ライトでキッチュな下品さも大好き。

新作パネェ…。


生パンさんの脳直動画。脳に電極を刺されて、自動送信されているような気分になる。脊髄反射する余裕もない。子供の夢の原生林のごとき世界がそこには展開している。毎度毎度の決め台詞「わぁい!」が炸裂するときには、もはやあなたの脳はトロトロに溶かされていること、請け合い。ラフなタッチの本編を「本気絵」、たまに挿入される「本気絵」を「作画崩壊」と自動判断してしまうのは、ニコ中の脳マヒの賜物。ただ、脳直映像のせいで、本人の作成しているすばらしい東方アレンジに集中できないのが難。


作者の谷屋さんが、保志総一朗ばりの美声でお送りする呪いの歌。明るく楽しいルサンチマン。延々と6時間エンドレスしていても飽きない脅威の中毒性。おもわず曲に合わせて「みんなしねばいーのにー」と放歌してしまいそうになる、この開放感。SHOGUNの「男たちのメロディ」という歌の「運がわるけりゃ〜死ぬだけさ♪」につながる快活さがある。カラオケに入ったら最も歌いたい東方ソング。

東方電気笛に関しては前回紹介したので、今回はあえてオミットしました。

*1:影響力的に。下品なものはそれこそキラ星の如く