孤高のエリート

エリートになりたいですなぁ。
え?何のエリートかって?
なんでもいいですよぅ。あたしゃ、一度でいいから、何事かのエリートになりたいのですわさ。
まあ、世界規模、日本規模のエリートは、それこそ競技人口が溢れておりますから、狙いません。
県規模、市規模のエリートも、地域のしがらみに縛られ、浮世の義理にてギリギリ搾られる羽目になりますのでご遠慮。
そうなると、残されるのはマイエリートしかないですなぁ。
マイエリート、これは自分で勝手にカテゴリーを作ってエリートになるというもの。
例えば、私が新競技・マルクス・アウレリウスアントニウスコールというものを考えたとします。これは一日に一万回マルクス・アウレリウスアントニウスの名前を唱えることで、息子のコモンドゥスやらグラディエーターのヒトよりも、かの哲人皇帝の名前を多く唱えようという競技。
これならば容易くエリートとなれます。マルクス・アウレリウスアントニウスコール界の。…長えな、この競技名。
で、大切なのはこのマイエリート。競技人口を増やさないことです。
まあ、こんなキチガイじみた競技に加わる酔狂アスリートはおらんとは存じます。ですが広い世の中、どこぞの物好きがマルアウアン界に割り込んでこないとも限りません。
ですんで、人に知られず、小声でひそかに、
マルクスアウレリウスアントニウスマルクスアウレリウスアントニウスマルクスアウレリウスアントニウスマルクスアウレリウスアントニウスマルクスアウレリウスアントニウス
きっと周囲から人影は消え、孤高のアスリートに、孤高のエリートになることができるでしょう。ただし友だちはできません。
エリートとはいつでも孤独なものなので、あります。