全裸と武士道

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2日に引き続き石井輝男監督作品。
「女は全裸、男は虐殺」が標準装備。前回に引き続き石井輝男的江戸時代が炸裂します。ナックルを装着して襲いかかってくるお奉行さまやら、全裸で新年会をする吉原やら、真冬に全裸で屋外バトルするくのいち、火消しには全裸がいちばんとか、竹槍カーを疾走させる岡っぴき、など、「いしいてるおかんとくのかんがえたかっこいいえどじだい」が有無を言わさぬ迫力で襲いかかってきます。画面の前の私たちに向けて。
主演の丹波哲郎と共に、活躍するのが、女忘八(おんなぼうはち)お紋役のひし美ゆり子ウルトラセブンのアンヌ隊員で有名な俳優です。彼女は吉原での責めやら、丹波哲郎との戦い、キャットファイト等で大活躍します、全裸で。
アンヌ隊員への幻想が一瞬でカッ飛ぶ出来栄えです、全裸で。
「忘八」ならぬ、「忘七」です。「おまえはウルトラセブンを、モロボシダンを忘れたのかっ?」と。まぁ、モロボシダン役の森次晃嗣さんも『ああ野麦峠』で大竹しのぶを攻めさいなむ悪の道へ走るので、どっちもどっちですが。
ここまでご政道ならぬ、ご性道が展開されると、別の惑星の出来事のように思われて、かえって煩悩が失せていきます。山田風太郎のセックス忍法の数々を見ているときも同じ現象が生じたのを思い出しました。
石井輝男山田風太郎。この二人が生前に組んだら、最強タッグだったかもしれませんね。