姉妹喧嘩を撲滅するためのレビュー

あーめがふーりますあめがふるー、あーそびにゆきたしかーさはーなーしー。mantrapriですこんにちは。
突然ですが、「おたくのお子さん、仲はいいですか?」
いえね、兄弟姉妹喧嘩は世の花とはいえ、あまりに度を越すと、年をとってからも遺産だ、土地だ、といがみ合うことになります。特に姉妹喧嘩の場合、男みたいに表面上の派手さはないものの、水面下でのくすぶりは長く続くものです。
さて、そこのおかあさま。心配になってきましたね。「うちの子は大丈夫かしらん」と。まあ、私mantrapriにおまかせを。お子様の情操教育には本や映画、場合によってはアニメなどが一番!以下に紹介する本や映画をお子様と一緒に見ていただければ、姉妹喧嘩もたちまち解消間違いなし!
まず一作目はこちら。

おなじみイデオン映画版です。この映画、おおまかに言えば姉妹喧嘩で宇宙滅亡という内容です。はしょりすぎだけど。
ハルル・アジバとカララ・アジバがいがみ合う姉妹なのですが、姉のハルル役は『宇宙戦艦ヤマト』の森雪、妹のカララはアンパンマンやトーマスの声優さんが演じているので、お子様にもなじみ易いと思われます。ただし、姉妹が殺しあって脳天に風穴が開いたり、宇宙のチリとなったりします。まぁ、最後はハッピーエンド風ですし、お子様のトラウマ情操教育となり、脳に刻み込まれるので、忍従しましょう。
これを見た後、姉妹喧嘩をしようものなら「イデが発動するよ」とでもいってやりましょう。とたんに怖気ぶって、仲良くすることでしょうよ。
それでも喧嘩をやめないお子様には、こちら。1962年のアメリカ映画です。子役時代の栄光と幻想の中に生きる妹が、足が不自由なトップスターの姉を自宅に監禁。外界との通信手段を漸次断ち切っていき、衰弱させいくという姉妹愛にとんだ内容になります。
この映画で特徴的なのは、幼少期のいがみ合いが老年期まで持ち越されるという、「姉妹喧嘩の最悪の末路」を余すことなく、リアリティをもって描き出していることです。「三つ子の魂百まで」。怨恨は上書きでは消されず、絶えずバージョンアップされるものだということを、お子様の脳内に叩き込みましょう。妹であるジェーン・ハドソンの白塗りの顔と爬虫類のようなギョロ目がゴワゴワ動く奇怪さも、上層意識への突貫を手助けしてくれます。
ただ、ラストのどんでん返しを見ると「どんなにいがみあっても姉妹なんだね」と、間違ったメッセージが受け止められ、喧嘩が継続される恐れがあります。そんな場合はすかさず横で「妹に、ネズミやインコを食わされたりするが、な」とささやきかけましょう。
それでもやめないヤツラには最後の手段だ!!
グロテスク

グロテスク

美しすぎる「怪物」の妹を、憎み続ける姉の手記という形をとった小説です。
美しい妹を憎み、怪物扱いする姉の肥大する自意識と、らりぱっぱーな末路は、お姉ちゃんの妹への恨みを反省させるでしょう。
また、美しい妹も、たえず「商品である自分」を認識することでしか、自己規定できない暗黒ループへと落ち込み、夜鷹になって虐殺されます。これは妹さんに「自己中はいけない」と、考えさせるいい機会となるでしょう。
この小説をお子様と一緒に朗読し、姉妹で憎みあうことで、自己認識に耽溺し、周りが見えなくなる。いがみ合いの真の恐ろしさを実感してもらいましょう。そう、敵は外にいるのではない、ましてや妹や姉ではない。敵は妹や姉をフィルターにして自己規定してしまう自分自身なのだ、と。
それでもやめないならば…、しょうがない。
あさりちゃん (第1巻) (てんとう虫コミックス)

あさりちゃん (第1巻) (てんとう虫コミックス)

これを手渡して「もまいら。ま、この程度にしとけや」と述べ、諦観するしかないでしょう。