ぐるぐる渦巻き島
二月になってもまだ続くんですよ、石井輝男が。
- 出版社/メーカー: IMAGICA
- 発売日: 2005/08/24
- メディア: DVD
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そいつぁ、「アクションエロ」。
ありていに言えばお色気つきアクションです。この作品も陰謀吹き荒れる渦巻島こと対馬を舞台に、陰謀とガンアクションとエロと、珍妙な踊りが咲き乱れます。
ここでのいしいてきかっこいいあくしょんを見ていると、後年の東映特撮の祖形となったであろう要素が散見されます。
+多勢に無勢…主人公が多くの敵に囲まれるものの、一人で何とか全員を倒す。時代劇にもあった様式ですが、そのカメラワークやアクション、「必ずだれかが崖から落ちる」などは、非常に東映特撮チックです。
+基地のライティング…悪の基地(ここではホテル)のライティングは緑や赤を多用しており、仮面ライダーの初期のショッカー基地に類似しています。
+悪の組織の裏切り者は死ぬ…東映特撮に必ずあるパターンです。悪の組織の裏切り者は「地産地消」の精神の元、生き残ることができません。
+敵の用心棒とのワザ合戦…ズバットでカリカチュアライズされたことで有名な、主人公と敵の技の競い合いです。石井輝男監督によってすでにこのフォーマットは完成されており、本作ではズバットよりさらに過剰な演出がなされております。
かように多くの共通点がある新東宝時代の石井作品と東映特撮。しかし、異なる点もあります。それは「悪の組織の脱走者」です。特撮では脱走者は怪人によって独創的かつ珍妙な方法で殺害され、子供や私はそれを見てわくわくするのです。
しかし、私のような特殊な趣向を持たない、一般的な大人は到底これではわくわくできません。ですがご安心を。いしいてるおアクションでは、脱走者はひん剥かれたり、鞭打ちをされたりなど「エロい罰を受けます」。これなら大人でも楽しめますね。
本作は「いしいてるおかんとくのかっこいいあくしょん」が堪能できると同時に、東映特撮の多くのフォーマットの淵源が石井輝男アクションに見られる証左にもなります。