「ハートキャッチプリキュア!」おジャ魔女からの継承

ハートキャッチプリキュア!」。来ましたねぇ。恐るべき膂力(りょりょく)でハートを鷲掴みされましたよ。

《ストーリーダイジェスト》
引っ込み思案の少女・花咲つぼみは転校を機に、自分を変えようと決意します。そこに現れたのが来海えりか。「コミュニケーション」という名の度重なる圧迫*1によってつぼみを精神的に追い詰めます。しまいには「ファッショ」部への入部を強要される始末。
えりかは、今までのイデオロギー(めがね)を捨てさせ、専用の制服を押し付けるなど、数々の「ファシスト的洗脳」を行いながらファッショ部への強引な勧誘をくりひろげます。辛くも勧誘を逃れ逃げ出したものの、えりかはそれを恨み、巨大化。つぼみに襲いかかり「武力による最終的解決」を図ろうとします。
この様子ではつぼみも早晩ファッショの手先となり、右極化を推し進めていくでしょう。「プリキュアという名の武力」によって。

え、ファッショじゃなくてファッション?まあ、あんまし変わりませんよ。

と、第一話のストーリーダイジェスト(嘘だっ!!)はこれくらいにして本題を。今回のプリキュアは関プロデューサー、キャラデザの馬越嘉彦、メインライターの栗山緑(山田隆司)など「おジャ魔女どれみ」のスタッフが再集結。まさに「おジャ魔女プリキュア」の様相を見せています。
おジャ魔女的な要素を数え上げただけでも、ほら、こんなに。

  1. おジャ魔女どれみ」的なディフォルメの多用。
  2. クラスメートのキャラを掘り下げていくであろう設定
  3. 鎌倉からの転校
  4. メガネのテカり具合
  5. なぞの「?」声優

1ですが、第一話は大胆なディフォルメの嵐。キャシャーン的な殺伐としたオープニングで始まり、「こんかいのぷりきゅあははーどすぎるぜ」と思いきや、本編では急におジャ魔女的な等身に。さらには場面に応じてどんどんディフォルメ。特にえりかの表情三段変化(おジャ魔女的等身→おジャ魔女ディフォルメ的等身→「おジャ魔女どれみナイショ」のエンディング的ハイパーディフォルメ*2への三段階チェンジ)などは、馬越ディフォルメの極致ともいえるすばらしさっ!ピンからキリまでのジェットコースターディフォルメが楽しめるのはハートキャッチだけっ!!
2は、今回の敵モンスターの設定とかかわります。人間のネガティブな思いを利用して、化け物にかえるという今回のコンセプトはそのまま化け物にされるキャラクターの掘り下げへとつながります。
おジャ魔女が魔法の力でクラスメートの悩みを一人ずつ解決していく番組であったように、ハートキャッチはプリキュアの武力によってクラスメートの悩みを解決していく番組になる、と予想。
3はつぼみの設定です。彼女は鎌倉からの転校生であり、鎌倉はおジャ魔女の舞台である美空町のモデルとなった都市です。つまりは「おジャ魔女からハートキャッチへ転校」ということ。
4。これは後に特設コーナーを設けて述べますが、つぼみのメガネのテカり具合がおジャ魔女ドレミのサブキャラ・藤原はづきのソレにそっくりなのです。
5はエンディングクレジットにみられた謎の声優。キュアムーンライトの名前の部分が「?」で表記されています。これはおジャ魔女の魔女界の女王以来の特徴で、そのキャストはおそらく本編に登場するほかのキャラクターと被っているはずです。

かように、スタッフ以外にもおジャ魔女から多くの要素を継承するハートキャッチプリキュア!これから日曜日8:30はモニターの前で正座ガン見必須です。なんだったらDVDレコーダーも買っちゃおうかしら、オジサンっ!!

*1:「こえがちっちゃくてきこえなーい」と公衆の面前で恥をかかせる、好物のから揚げを強奪、などなど

*2:馬越嘉彦おジャ魔女のエンディングアイキャッチを即興で描いていたときに身につけた描法。ナイショではエンディングはこのトーンで統一されている