ハートキャッチプリキュアの対比構造

《ストーリーダイジェスト》
「ファッショ部」への参加を求めて暴れ狂う巨大えりかの攻撃から逃れ、つぼみは祖母の植物園に向かう。だが祖母は謎の武闘集団「プリキュア」の一員だった。「プリキュア」それは武力とスカトロまがいの手段によって人間の「心の種」を集める、恐るべき戦士のことだ。
二大勢力に囲まれ、万事窮したつぼみ。起死回生の手段としてファッショ部とプリキュア=園芸部の掛け持ちを打診。からくも両勢力の追及を逃れるのであった。こうして「フアッショ」と「スカトロ」に満ちたつぼみの学園生活は開幕した。

このあらすじがそんなに違ってないから、逆に困る。
私の斜め90度上を行き、そのまま頭上に降下してくる怒涛の展開。「ハートキャッチプリキュア!」おそるべし。今後の展開がまったく予測できないっ!!ですが今回のお話でキャラクター配置のアウトラインは把握しました。つまりは「敵との対比構造」
初期の二人体制からこのかた、プリキュアのメンバーは年々拡大の傾向をたどっています。純粋に戦士の数が増えるということではなく、戦闘パートに関与する人数の増加を指します。特に本作では、保護者である祖母が日常、戦闘の両パートに関与するなど、前作以上に「戦隊モノ」のフォーマットに近づいているのを感じます。
さて「戦隊モノ」には長官、戦隊、追加メンバーという、大きく分けて三つの区分が存在します。
長官は直接戦線に立たず、影から戦士をサポートする司令塔の役割を果たします。本プリキュアではキュアフラワーであった祖母がこの役割に当たります。
戦隊は通常の戦闘メンバーです。現段階ではつぼみとえりかの二人がこの役割です。
追加メンバーは途中から加わるイレギュラーな戦隊メンバーです。主人公の兄であったり、別の戦隊であったり、先輩、後輩戦士と形態はいろいろですが、いずれも従来のメンバーとは格差が設けられています。本作ではキュアムーンライトがそのポジションではないかと予想。
このような戦隊の標準フォーマットが「ハートキャッチプリキュア!」には備わっています。では「敵との対比構造」とはどのようなものでしょうか。
実はさきほど説明した長官、戦隊、追加メンバーはそのまま敵である「砂漠の使徒」にも当てはまるのです。
長官は一話の冒頭に出てきたサバーク博士が、戦隊はクモジャキー、コブラージャ、サソリーナの赤、青、黄の三人組が、追加戦士はダークプリキュアがそれぞれ該当します。
つまり「ハートキャッチプリキュア!」においては、善悪両陣営が「長官」、「戦隊」、「追加戦士」の役割で対比的に配置されているのです。
この構造は、戦隊モノの中では「超電子バイオマン」や「超獣戦隊ライブマン」に近い形態になります。しかしこれらのケースは「戦隊」や「追加メンバー」が対称的に配置されているだけであって、「長官」にまで対比が徹底しているわけではありません。プリキュア5の時も感じましたが、プリキュアは「敵組織」について特撮以上に真摯に考えてるなぁ。と感嘆。*1
で。この対比を考えると、どうも不釣合いに思える部分が一箇所あるのです。
そうプリキュア側の『戦隊』に黄色が足りない!」ということ。
私は今後、黄色の追加戦士として「キュアカレー」が出てくることに「清き一票」を捧げます。

*1:あ、今考えたらライブマンは長官やサポートロボまで徹底した対比構造でした。失礼