空気人形(プネウマティック・ドール)

プネウマティック・ドール。
私たちは空気人形だ。


プネウマは息、空気、神の吐息。
そして精霊の意味を持つことば。

肉という嚢(ふくろ)は、空気によって膨らむ。
そして嚢中(のうちゅう)がぱんぱんになったとき、
初めて目を覚ます。

吐息をそそがれなければ、人は袋だ。
モノをしまう価値しかない。

しまわれるモノに意味はあるが、しまう嚢には、意味はない。
だから、モノではなくプネウマで満たす必要がある。

プネウマの成分は、なんであってもかまわない。
ただ、価値がないことのみが必要とされる。

モノであっては、ならない、嚢より重くなっては、いけない。
不必要で膨らまされ、無用の用に満たされて、
人は生きる嚢となる。


プネウマティック・ドール。
私たちは空気人形だ。