わたしはプライベーティア

わたしはプライベーティア。
個人的人間。


一人の人のために生きることを無上の喜びにする。ただし、その瞬間だけ。
自分の感情や、知識や、あらゆることを、「ある個人」のために使いたいと思う時が、度々ある。
そうして、すべてをその人のためにカスタマイズしたいと思う時も…。
でも、わたしはプライベーティア。自分勝手。
結局は自分の快楽のための糧に過ぎない。


「もしも偉大な王がいたら、その人のシェエラザードになれるのに」と、夢想する。
千夜一夜の夢を紡いで尽くすのに、と。


でもわたしはプライベーティア。己の夢にしか遊べない。
ひとのゆめがわたしにはみえない。

私には覚悟が足りない。誰かの夢になる、覚悟がない。
いつもわたしはプライベーティア。


砂場での、一人遊び。