2011-06-30

20:44
「好きなテーマを描きたい」という漫画家がヒット後に、好き勝手できる環境でそれをやると大概が失敗する。しかし、好きな関係性を描きたいという漫画家の場合はあまり失敗しない。これはなぜだろう。

20:46
思うに、前者は作品の世界観と配置される人間が乖離することがしばしあるが、後者は人間を中心にテーマを織り込むので、作品世界からの逸脱や浮きが少ないからではないか。

20:48
さらにキャラクターにテーマがある場合は、そのテーマが上手く行かなかったり、読者人気が得られなかったときはキャラクターを入れ替えれば済み、セカイには疵は付かない。

20:49
マンガにおいて世界観を構築するとは、世界観を体現するキャラクターを配置することであって、世界設定を作ることでは、厳密にはない。その世界設定すら説明できるような特性を持ったキャラクターを配置することである。

20:52
キャラクターはただ配置されるだけではなく、世界観の分身であり、一部であり、読者にとっては最初から最後まで世界観を体現する存在なのだ。あくまでやるべきことは世界観のデティールに凝ることではなく、世界観をキャラクターに表現させる手立てに腐心すること。

20:55
マンガはモノガタリではなく、ヒトガタリ。ヒトやヒトに類する心性を持った者に世界観や教訓や、すべてを盛り込まなければいけない。かれらの仕草や喜怒哀楽に落とし込まなければいけない。


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