「ことばがクる日」というのは確かにあります。
それは当意即妙な返しが思いついたり、適切な受け答えが出来たり、小説がスラスラかける日ではありません。
「ただむやみに活字を散らす日」です。
散らすことばには意味はありません。
櫻の花がはらはらとおちるぐらい、命のように輝きの火もえいづるぐらいに、
人を喜ばせることが出来れば、散らすことばもよろこび逝くでしょう。
そんなゆういぎ、ありません。おゆうぎのごとく、ちらします。
口から出るままちらします。磨かれぬままちらします。思いのらねどちらします。
ノイズの如く、ダストの如く、モチーブなしに
ちらしちらして、かきかきすてすて。
そうしてちりのやまのあと
たいせきしたもじおかに
らくとあいすのぼうを
あたりつきつきさし
つかをたてます
ことばのつか
むえんづか
もっけ
つかず
あり