安息日

今宵の月は八橋のようだ。 餅の半月光る赤黒く。 今宵の月は八橋のようだ。 中に黒餡をまぜてはべる。 今宵の月は八橋のようだ。 きっと嫦娥のように、 空からニッキの、 鱗粉ふらす。

開発しました。 「夢と知りせばさめざらマシーンを」。 あぁ、そうそう。「を」まで含めたネーミングですから。 あしからず山の金太郎。 ありますよね。 人生で、夢を見ているときに「ああ、これは夢だ」と思っても、覚めてしまうことが。 これは人類有史以…

今日は星がひからないよ

今日は星が、ひからないよ 昨日まであったおそらにぽっかり 明日のぼるか またのぼらぬか 今日は夢が うつらないよ 昨日もやもやあたまにぷかり 明日みれるか もはやみれぬか 今日は口が ひらかないよ 昨日ぺらぺらしたがぺったん 明日はなすか もうはきでぬ…

今日もどこかで韃靼人が踊っている。ちゃーららーちゃららららららーちゃーらーらららーらーちゃーららららららー。 韃靼人は踊らない。こんな節では踊らない。 韃靼蕎麦は食うけんど。ちゃーららーちゃららららららーちゃーらーらららーらーちゃーらららら…

趣味はひとをころす。 趣味は、イデーのように転換できない。最愛のひとのように死別できない。季節のようにスクロールしない。 それゆえ趣味はひとをころす。ちょっとした愛好。ほんのすこしの癖。さりげないしぐさ。 あなたはいつでも切り売りできる、とお…

「ことばがクる日」というのは確かにあります。 それは当意即妙な返しが思いついたり、適切な受け答えが出来たり、小説がスラスラかける日ではありません。 「ただむやみに活字を散らす日」です。 散らすことばには意味はありません。 櫻の花がはらはらとお…

視野が広い人間ほど選ぶ。 視野が狭い人間ほど選ばない。 視野が広い人間ほどあまたの世界を見る。 視野が狭い人間ほど一つの世界を見る。 視野が広い人間ほど「己」を識る。 視野が狭い人間ほど「己」を縛る。 視野が広い人間の前には「問い」がある。 視野…

さあ、椅子取りゲームの開始だ。 用意された椅子は三つ、我々は五人。二人があぶれる。 この椅子は、我々の合意だ。合意によって出現した座だ。 いわばギルドだツンフトだ。 座ったフリをして、蹴り倒してもかまわない。 座ることに興味のないフリ、してもか…

夜に口笛を吹いてはいけません。 夜の神に供犠を捧げてはいけません。 よるはよる、よるべなきものよるよるよ よりてこよりてよるとなる夜に口笛吹いたなら。 夜はアナタに恋をする。 アナタは夜を愛せるの?永久に傍らはべれしや? めしいておれどもなにも…

るりぽえむ

瑠璃の中には宇宙がある。 拡散し、ギネスビールのように寄せては返る銀河の波が。 瑠璃の狭間に漂って、波紋を無間にかたちどる。 瑠璃の中には空がある。 ウルトラマリンに千切れ雲ひとつ。 どこへ行くでも、来るでもなしに。 瑠璃の中には海がある。 手で…

虹彩ぽろぽろ。虹彩ぽろぽろ。虹彩ぽろぽろ。 眼球にはりついた、虹彩ぽろぽろおっこちた。 コンタクト・レンズみたいにおっこちた。 泪の、瞳をつたうその滝の、あまりの重さに耐えかねて まつげをつたってしたたりおちた。 西洋人はみどりの、東洋人はくろ…

學而不思則罔 思而不學則殆 学びて思わざれば則ち罔し。思いて学ばざれば則ち殆うし。論語の一節である。 昨日、この言葉の意味がはじめて分かった気がする。私は前者だ。 思わないわけではない。思っている。しかし、「思う」ことを貫徹することが出来ない…

サヨナラサンカク、マタキテシカク。 三角に参画せずして、四角を視角の内に入れる。そこに形而上の意味を見出すか、はたまたその手は桑名の焼蛤あたりのローリング・接頭語・ストーンなのか?いやはや。 いずれにしても一度去った三角は元の三角にあらず。…

しずかに、しずかに、かくれよう しろい、やみに、とけいろう よるにうたえば、 ゆきにうたえば、 つきにうたえば、 きっとどこかではながさく わたしがのこした、そのあしあとに きっとなにかの、はながさく そのはなを、ゆきが、よるが、 あとなくつつみ、…

雪の寒さを知っている。 雪の黒さを知っている。 雪の重さを知っている。 だから私は雪を知っている、 のか?雪は円環を繰り返す、秩序の一形態だ。 私の胃液かもしれないし、唾液かもしれなかったものだ。ぐるぐる地球を周回移動する普遍だ。 それが親切に…

…あ、あのう。最後まで読んだ方、引かないで下さい。今日はちょっと気分がおかしかったんです私。はい、出来心です。普段はマトモ(でもないか)な内容です。年中こんなことを書いているひとではありません。ええ、神仏にちかいますとも。ところで十一月も中盤…

「やあ、こんちは」「今日は何のごよう」「きみがたずねてくるときは決まってよくないことが起こる」「去年もそうだった」「今年もそうにちがいない」「そうやってきみは着実にぼくにふこうをもたらす」「毎年毎年」「君が来ない年、そうろくねんまえはふこ…

魂いたまし。かなしいし。オスマン三魂七バック。車は急には止まれない。十には止まるよ今日中に。明日は明日のカルーセル。

ひんしのひんしのひんしさんはきょうもひんしです。つねにしにめんしているのでひんしさんです。でもなかなかしなないので、いや、いまでもいきているのでひんしさんではないかもです。でもひんしさんをかこにみたひとはかれのことを「ああ、ひんしだな」と…

世界中の誰よりもアスタリスクが好きな俺を、邪魔するヤツは許さない。どれぐらい許さないかっていうと、これぐらいだ。昔はシフォンケーキの方が好きだったが、今はそうでもない。それぐらい一途だ。性別も存在も概念さえも超越してみせる。オレはアスタリ…

ピンクさんはじめました。 期間限定のピンクさんです。今を逃すと手に入らないかもしれないピンクさんです。 とってもピンクさんです。ぜひ、手にとってお確かめしたくなるほどのピンクさんです。 盛り場にたむろしがちなピンクさんです。お歳暮の定番、ピン…

明日は今日の続きであり、今日は昨日の続き。 盆は覆水を手放し、覆水は盆に帰らない。 私は時の一部であり、時は私を流す川。 肉は私のタイマーで、私は肉の安全装置。 時計は私の道具であり、私は時計の主人。 日月は私の潮であり、私は日月の被写体。 こ…

理性的になると、空気を吸うこと、日本に生きることにも理由を求めるようになる。だから私は悟性を捨てられないし、理性が人類を救うとも思わない。

「この自動人形は箸が転がっただけでわらいます」 「それはいいね」 「でも、箸が転がらなければわらいません」 「それはいいね」

朝起きたら、私は私の知らない人になっていました。トイレに行くのも、食事を食べるのも、欲望を発散させるときも、絶えず不愉快です。だって、この私は私ではなく、私の知らない私なわけです。そんな人の生理行為に付き合うのは不愉快極まりない、イヤホン…

ピンポンパンポーン。これが最後通牒です。噂の最終勧告です。コレでダメなら次は無いのです。どんじりなのです、崖なのです。お先真っ暗甲斐も無いのです。 あなたの楽しいのか楽しくないのか判らない人生に、わざわざ突きつけてやっているのです。これは慈…

君が誰だか思い出せない。つい昨日会った気もするのだが、初めて会ったような気もする。そんなデジャヴのようないい加減さ。決して良い加減ではない。君の事を思い出さなければおさまりが悪いんだ。芋虫を生きたまま飲み込んだ気分だよ。そいつが胃の中にス…

あれよ。ほっとしたいんよ。スッと収まるように、ぎゅぎゅいっと押し込めるように。ほっとすぽっと。ういーっと、角度を決めて、うねーッと進入する。そいで、出てこない。そんな有様。見るのもほっとするし、見られるのもほっとする。人はいかんね、死んで…

全国から入門者が殺到。杉並区に開講したあれが「フラグ道場」だっ!この道場に通えばありとあらゆるフラグをたてることができる。もちろんツンだったヒロインも解凍したてのエビシューマイのようにフニャフニャチン。お前に尻尾をふってみせるよこんこんち…

あい。あいする。あいしてる。あいはあいだし、あいいいがいにあいはなし。そうだけどあいって本当に愛かなぁ?人を愛する、愛する愛はI。IはIだよ自分自身だ。おのれ踊るる、さんざめく。踊るるなかにたからは生まれ、やがて人にもIさるる。おのれはおのれ…